「中国臨床禁煙指針」によると、世界保健機関(WHO)は、喫煙による害は新型肺炎(SARS)や津波よりいっそう深刻であると指摘している。世界の喫煙人口は現在約13億人、毎年490万人がタバコに関する疾病が原因で死亡しており、死亡原因全体の10分の1を占めている。タバコによる死亡は現在、世界の死亡原因のトップを占め、2025年には、タバコによる死亡者総数は肺結核、マラリア、エイズなどの疾病による死亡を上回る見通し。「経済参考報」が伝えた。
統計データによると、中国の喫煙人口は3億5千万人。毎年100万人がタバコに関する疾病が原因で死亡しており、その数はエイズ、結核、交通事故、自殺による死亡者総数を上回り、死亡者数全体の12%を占めている。この割合は、2020年には33%まで上昇すると予想される。
北京呼吸疾病研究所流行病研究室の肖丹・主任によると、巻きタバコの煙は4000種類以上の化合物から成る複雑混合物で、うち最低43種類が発ガン物質であることが判明しているという。中国疾病予防控制センターの楊功煥教授らによる調査により、タバコによる死亡のうち、COPD(慢性閉塞性肺疾患)が45%、肺癌が15%、食道癌、胃癌、肝臓癌、脳卒中、CHD(先天性心疾患)、肺結核が5~8%をそれぞれ占めることが明らかになった。
「喫煙が健康に有害なことはすでに紛れも無い事実だ。中国の2006年の調査結果によると、81.4%の人は禁煙したいと思っているが、止められない。また、12.5%の人は禁煙するつもりはさらさらない」北京安貞医院の楊暁輝・副研究員はこのように語り、喫煙者が禁煙を達成するように促し、サポートすることは、タバコ対策活動の重要内容のひとつだと強調した。
「人民網日本語版」2007年10月22日