新たに誕生したひとつひとつの命が、被災して再建に取り組んでいる家庭に新たな喜びと希望を与えている。四川省人口部門の資料によると、四川大地震被災地で、地震で子どもを失ったり、あるいは子どもに障がいが残った母親2千人以上が既に妊娠・出産している。彼女たちのほとんどは35歳から45歳。
四川大地震で1万人以上が亡くなった綿竹市は、「再出産全過程サービスプロジェクト」に最も早く着手した。市政府が1億元以上の専用資金を拠出、子供を失い再出産を望んでいる母親に対し妊娠前、妊娠中、分娩など全過程にわたる無償サービスを実施、さらに葉酸(ビタミンの一種)、栄養剤のほか、心理カウンセリング、妊娠中の心がけ、育児知識など出産・育児に関するリーフレットのセットも提供している。
「再出産全過程サービスプロジェクト」を提唱したのは綿竹市人口・計画出産局の王梅・局長(女性)。王局長によると、同プロジェクトは中央政府の認可を得、四川大地震被災地で広められることになった。
綿竹市では現在までに、地震で子供を失ったりあるいは子どもに障がいが残り、再出産を希望している母親896人のうち、既に489人が出産、109人が妊娠している。
王局長によると、「再出産全過程サービスプロジェクト」のサポートの下、既に誕生した乳児はいずれも健康という。
「廖昌会さんとおっしゃるお母さんが、早産で3.1キログラムの女の子を産みました。赤ちゃんはもう10キログラムを超えています」王局長は語る。
王局長にもひとりの娘がいて、現在中国人民大学の院生として学んでいる。
王局長は、「娘は天から授かった私の宝であり、私の大切な友人でもあります。母親として、お子さんを失われた方々の心の痛みはよくわかります。現在の自分の仕事を通じて、被災地でお子さんを亡くされたお母さん方が新たに母親の喜びを感じられることは、最高に幸せなことです」と語っている。
「人民網日本語版」2010年3月11日