北京大学中国経済研究センターの曾毅教授は、9日に開催された「アジア高齢化への取り組み-政策研究とデータ」と題する国際会議において、ある研究報告を発表した。これによると、中国では息子よりも娘のほうが親孝行だという。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
曾教授の研究グループは、5回にわたる追跡調査を実施、訪問調査対象者は、全国22省(自治区、直轄市)の累計8万1千人に達した。報告の概要は次の通り。
国内高齢者の成人した娘の親孝行意識を示す指数は、成人した息子より18-35ポイント高かった。また、娘と年老いた両親との感情的な関係も、息子との関係に比べ30ポイント高い。さらに、主に娘や娘婿に面倒を見てもらっている後期高齢者(75歳以上)の満足度は、息子や息子の嫁に対する満足度より45ポイント高く、前期高齢者(65-74歳まで)の場合は13ポイント高かった。
主に娘や娘婿と交流する高齢者が3年後に認知能力が著しく低下するリスクは、息子や息子の嫁との交流が多い場合より20-33ポイント低い。また、子供は娘だけという高齢者の3年後の死亡率は、息子だけの場合よりずっと低かった。
3世代同居は、高齢の親と成人した娘にとって「ダブルウィン」の生活パターンであり、政府は関連奨励策を講じるべきだ。
高齢者だけで生活している場合と比べ、子供と同居している高齢者の認知機能は40ポイント高く、生活に対する満足度もかなり高い。親と別居している子女に比べ、同居している女性の就業率は23.1ポイント上昇、仕事をしている女性の週勤務時間は9.42時間多かった。また、男性では週勤務時間が6.23時間多かった。健康度の自己評価については、親と同居している女性は、親と同居していない女性に比べ19.8ポイント高かった。
「人民網日本語版」2010年12月10日