▽プロスポーツの躍進に押されてしまった米国の飛び込み
米国は飛び込み競技においてはパイオニアのような存在で、1980年代、飛び込みの天才といわれたグレッグ・ローガニスが米飛び込みの黄金時代を築いた。しかしグレッグの引退後、米国の飛び込み競技は次第に衰退していった。
中国人選手で初めて世界の舞台で優勝した飛び込み選手李宏平は、26年前にアメリカに行き選手の指導を始め、現在は米飛び込みチームの監督を務めている。李監督は「アメリカ社会にはヒーローを求める傾向が強くあり、グレッグが引退してから米飛び込み界にはスーパースターが誕生しておらず、この競技に対する人々の関心も薄れてしまった」と指摘。さらに「ここ30年、アメリカではバスケットや野球などのプロスポーツが盛んで、人々やメディアや企業の関心はもはやそちらに向けられ、飛び込み競技は影をひそめている」と分析している。
「中国で飛び込み競技は国家重点保障の強化項目となっているため、人材面でも、資金面でも十分のサポートが得られ、コーチも選手も練習と試合だけに打ち込むことができる。これが中国とほかの国の最大の差」と李監督。