もちろん、建国後の数十年と今では、だいぶ社会の様相も変わっていることも念頭に置かなければならない。それについて、ひとつだけ私見としてあげておきたいのは、現在の青少年の置かれた状況の違いである。最近の青少年は選択肢が大いに増えており、中学、高校の段階から外国へ留学する人も急増している。ひところ前、ある企業の協賛で十数人の少年をスペインへのサッカー留学のために選抜することになったが、父兄の中には子供たちの夢よりも、あまり早く1つのことに特化にして勉強をおろそかにしては将来つぶしがきかなくなる、という懸念を示す人もいた。さらに、スポーツ選手の引退後の再就職が、知識がますます高度化している今日では難しくなっていることも確かだ。
以前はキャッチアップのための困難の克服が最大のテーマであったが、今では安定した人生を送ることや留学によりさらに広い世界を知ることが人々の選択肢に入ってきている。
こうした新たな変化の中で、スポーツ強国の道をどう切り開いていくのか、中国のサッカー種目をどう強化していくのか、中国スポーツ界は新たな課題を抱え込むことになったようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月5日