谷口誠元国連大使:「日中友好同盟」を成立すべきだ

タグ: 脱亜入欧 メディア 日本の成功と失敗

発信時間: 2010-04-01 13:59:47 | チャイナネット | 編集者にメールを送る
授賞式で講演する谷口誠氏。 段躍中撮影

「日本僑報」の報道によると、日本の谷口誠元国連大使が3月30日、日本僑報社日中交流研究所主催の「第5回日本人の中国語作文コンク-ル」授賞式に招かれ、基調講演を行った。谷口氏は、日本と中国はもっと相手の良い面を見るべきであり、「日中友好同盟」を成立すべきだと強調した。

中国のGDP(国内総生産)は間もなく日本を越えるはずである。これに対し谷口氏は次のように指摘した。ここ数十年、日本経済は中国より強大であったため、中国のGDPが日本を越えるということは、必然的に一部の日本人の心理に微妙な変化をもたらすはずである。しかし、両国の数千年に渡る交流史から見ると、長い間中国は日本より優位に立っており、最近の数十年だけを見てはいけない。近年の中国の急速な躍進により、長い日中の歴史の中で両国が初めて共にアジアの大国として競合する関係となった。「強い中国」、「強い日本」という二つのアジアの隣国の関係は、通常順調にいかないはずだ。従って日中両国は、いかにして大国としての大人の関係を築き上げるべきか、共に学ぶべきである。そして、どのようなことがあっても、両国はアジアでよりうまく付き合い、共生することを学ばなくてはならない。これは、21世紀においてアジアがさらに発展し、世界において経済的にも政治的にも存在感を高めるためにも重要である。

日中関係には両国の世論の影響が大きい。これに対し谷口氏は次のように指摘した。両国のメディアは、両国の対立点のみに注目して友好の流れを見逃してはいけない。たとえば、日本のメディアの「毒ギョーザ事件」に対する過剰な関心は、人々に「中国を敵にする」イメ-ジを与えた。その上、中国問題を研究する一部の日本人専門家も、中国批判が世論を巻き起こせるため、中国の強大化を警戒するという視点を絶えず打ち出した。

谷口氏は、日本の「脱亜入欧」の時代はすでに過ぎ去ったと考えている。日本は欧米だけに頼っていてはならない、よりアジアに融け込むべきである。中国、韓国と良い関係を作らなければ、日本の未来はない。2020年に向って、アジアは世界経済の中で最もダイナミックに発展する地域となり、中国とインドは世界をリ-ドする。日本はアジアと共生し、日本の経験を生かして、高齢化、環境等の問題で積極的にアジア各国と協力を進めるべきであると述べた。

谷口氏はまた、中国はさらなる発展のために、日本の成功と失敗例から学ぶべきであり、日本は中国の戦略的視点を学ぶべきだ。そして将来、日中両国は「日中友好同盟」の成立を目指すべきだと述べた。

谷口誠氏は1930年大阪生まれ、日本の著名な外交家で、1986年から1989年まで国連大使を務め、1990年から1997年までOECD(経済協力開発機構)の日本人初代の事務次長を務めた。また早稲田大学現代中国総合研究所所長、岩手県立大学学長等の職を歴任した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年4月1日

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