第二、基本的な経済制度を堅持、整備することについて。公有制を主体とし、さまざまな所有形態の経済がともに発展するという基本的な経済制度を堅持し、整備することは、中国の特色ある社会主義制度をうち固め発展させることにかかわる重要な支柱である。
改革開放以来、わが国の所有制構造は徐々に調整され、公有制経済と非公有制経済が経済発展、雇用促進などの面に占めるウエートはたえず変化し、経済社会発展の活力を強めた。こうした状況のもと、いかにして公有制の主体的地位をよりよく具現し、堅持し、基本的な経済制度の効果的な実現形態をさらに模索するかは、われわれの前に置かれた重要な課題である。
三中全会の『決定』は公有制経済をいささかも揺らぐことなく強化・発展させ、公有制の主体的地位を堅持し、国有経済の主導的役割を発揮させ、国有経済の活力、制御力、影響力を増強し続けていかなければならないと強調している。
三中全会の『決定』は党の第15回大会以来の関連ある論述を堅持し、発展させ、積極的に混合所有制経済を発展させ、国有資本、集団資本、非公有資本などが相互に株式を持ち合い、相互に融合しあった混合所有制経済は、基本的経済制度の重要な実現形態であり、国有資本の機能の拡大、企業価値の維持と増大、競争力の向上に役立つようにしなければならないことを提起した。これは新しい情勢のもとで公有制の主体的地位を堅持し、国有経済の活力、制御力、影響力を増強させる効果的な方法、必然的な選択である。
三中全会の『決定』は次のように提起した。国有資産の管理体制を整備し、資本管理を主として国有資産に対する監督・管理を強化し、国有資本の授権経営体制を改革すること。国有資本の投資運営は国の戦略目標に奉仕し、より多く国の安全、国民経済の命脈にかかわる重要業種や鍵となる分野に投入し、公共サービスを重点的に提供し、重要で将来性のある戦略的産業を発展させ、生態環境を保護し、科学技術の進歩をサポートし、国の安全を保障しなければならない。国有資本の一部を社会保障基金の充実に振り向ける。国有資本の収益から公共財政に上納する割合を高め、より多く民生の保障と改善に用いる。
国有企業は国の近代化を推進し、人民の共同の利益を保障する重要な力である。長年の改革を経て、国有企業は総体としてすでに市場経済と互いに融け合うようになった。と同時に、国有企業にはいくつかの問題が蓄積されるようになり、いくつかの弊害が存在するため、さらに改革を進めなければならない。三中全会の『決定』は次のような一連の的を絞った改革措置を提起した。それには国有資本の公益企業への投入を増やすこと、国有資本が持ち株経営を引き続き経営する自然独占業種においては、政府と企業の分離、政府と資本の分離、特許経営、政府の監督・管理を主な内容とする改革を実行し、異なる業種の特性に基づいて鉄道網と輸送を分離し、競争的な業務を開放すること、協調運営し、効果的に牽制しあうコーポレート・ガバナンス構造の健全化をはかること、プロフェッショナル・マネージャー制度を確立し、企業家の役割をよりよく発揮させること、長期的に効果的なインセンティブ制約システムを確立し、国有企業の経営・投資責任の追及を強化すること、国有企業の財務予算など重要情報の開示を進めるよう模索すること、国有企業は市場による従業員採用の比率を合理的に増やし、国有企業の管理者の俸給水準、職務待遇、職務消費、業務消費を合理的に確定し、厳格に規範化することが含まれる。こうした措置は国有企業の近代的企業制度を整備し、経営効率を高め、社会責任を合理的に引き受け、よりよく役割を発揮させるよう促すことになろう。