北京週報記者 蘭辛珍
5月1日、三日の休暇を利用して、李富平はまた山西にやってきた。これは彼の三度目の山西旅行である。うれしいことに、4月1日から北京から山西省の省都太原まで、「動車組(新幹線型高速列車)」が開通し、今回の北京から太原の旅行はたった3時間しかかからず、今までの特別快速電車よりも6時間ちかくも短くなった。
「もし太原市の観光地をめぐるだけなら、その日のうちに北京に戻れるし、気軽ですね」と李富平はいう。「以前はできなかったことです」。今までは北京から太原までの鉄道は9時間以上かかり、自動車では7時間ちかくかかった。
北京から山西省への旅客は非常に多く、そのプレッシャーを軽減するために鉄道部は6月30日以前に北京から太原への6往復の特急電車を増発した。4月1日にすでに運行開始していた8往復に加え、北京から太原の特急列車は14往復となった。
今年4月1日、中国鉄道部は新たに直通の旅客列車を89往復増やし、そのうちの41往復が高速列車で、直通特別快速が6往復、特別快速が2往復、快速電車が9往復である。上海から福州、武漢から合肥、瀋陽から太原、上海から漢口、天津から上海など、多くの大都市間の運行時間が、以前にかかっていた時間の半分に短縮された。短縮された時間が最も長いのは瀋陽から太原の列車で、以前は22時間43分かかっていたものが、現在では8時間2分しかかからない。
鉄道学会の呂長青秘書長によると、計画によれば、2020年までに、中国の鉄道網は20万人以上の人口をもつ都市をカバーし、地区クラス以上の行政区のカバー率は95%に達する。そのなかでも高速鉄道旅客ネットワークは、すべての省都と人口50万人以上の大都市を結びつけるという。
呂長青によると中国の快速な経済発展は、鉄道建設の速度を速め、過去60年間に建設された鉄道キロ数も四倍ちかくにふえ、さらに早く便利で快適になっている。2008年末、中国の鉄道営業キロ数は7.9万キロ、世界第三位の長さになった。2008年鉄道旅客運輸量はのべ14.6億人となり、前年同期比11%であった。鉄道、航空、水運、道路の4種類の運輸方法のなかでも鉄道の客運増加量が最大である。
旅客の絶え間なき増加のほかにも、中国の鉄道は社会における85%の木材、85%の原油、60%の石炭、80%の鉄鋼および精錬物資を運んでいる。
60年の建設過程
初めての鉄道営業、1876年に開通した上海呉淞鉄道から起算すると、中国の鉄道はすでに133年の歴史をもつ。中国人が自ら設計・施行した鉄道、1909年に開通した京張鉄道から起算しても、100年の歴史をもつ。しかし中国の鉄道の大発展は1949年の新中国の成立後60年のなかでおこった。
新中国が成立したとき、全国には2.18万キロメートルの鉄道しかなく、そのなかでも走ることのできたものは1.1万キロでしかなかった。鉄道部経済計画研究院投資諮詢部の項純副研究員によると、1950年、中国はまず西部地区の鉄道の空白地帯を埋めることからはじめ、成渝線(成都から重慶まで)と天蘭線(甘粛省の天水から蘭州まで)、蘭新線(甘粛省の蘭州から新疆のウルムチまで)の建設に着手し、新中国の鉄道建設が開始された。この60年の間で、中国鉄道建設は3つの段階を経てきた。