機関車製造業の発達
鉄道部経済計画研究院の呉衛平研究員によれば、鉄道建設は60年の苦しい発展をへて、中国の鉄道が必要としていた機関車・車両設備を完全に輸入に頼っていたというかつての状況を完全に変えることに成功した。現在、中国は各種の先進的な機関車・車両設備を生産することができ、その質も数もどんどん向上している。現在、中国の高速鉄道で使用している「動車組(新幹線型高速列車)」の機関車は、ぜんぶ国産品である。
1949年以前、中国の鉄道で使用されていた機関車や車両は、ほとんどの部分が輸入品であった。1949年以後、中国鉄道部門は機関車・車両工場をつくりはじめた。1952年からオリジナルの蒸気機関車が作られ始め、1958年にはオリジナルの内燃機関車、1960年にはオリジナルの電力機関車がつくられた。
1981年までの間に、この3種類の機関車の総台数は1949年の2.5倍になった。客車の総台数は1949年の4倍となり、貨物列車の総台数も1947年の5.7倍となっている。主要幹線の列車牽引総量は1949年の1600トンから1981年には3500トンと増えた。
1985年になると、中国のディーゼル機関車、電力機関車の生産量はすでに385台に達しており、蒸気機関車の361台という生産台数を超え、中国鉄道の牽引動力の生産がディーゼル機関車や電力機関車が主となる新しい段階へと突入した。中国で当時生産されていたディーゼル機関車や電力機関車はすでに国際的レベルに達していた。ディーゼル機関車・電力機関車以外にも、中国ではさまざまな種類や用途の客車・貨物車が生産された。
60年の間に、各機関車・車両工場が生産した各種の機関車は23,700台あまりになり(そのなかで蒸気機関車は約9,700台、ディーゼル機関車は約11,100台、電力機関車は約2,899台)、客車は45,600両あまり、貨物列車は696,700台あまりであった。これらの機関車や車両は鉄道の需要に応えるだけでなく、国内外にむけて販売された。
現在、中国の鉄道車両市場の95%が、中国南車集団と中国北車集団に集中している。中国南車は2008年8月に香港と上海の証券取引所に上場し、中国南車が生産した機関車・車両は国内の50%ちかくの市場を占め、とくに「動車組(新幹線型高速列車)」生産に優勢をもつ。