国際金融危機の大きな打撃を受け、世界経済がマイナス成長になっている背景のもとで、わが国がこのような成果をあげたことは実に容易なことではない。これは、胡錦濤同志を総書記とする党中央が全局を統轄し、正しい指導を行ったたまものであり、全党、全軍および全国各民族人民が心を合わせて、団結奮闘したたまものである。ここに、私は国務院を代表して、全国各民族人民、民主諸党派、各人民団体および各界の人びとに、心から感謝の意を表すものである。香港特別行政区の同胞、澳門特別行政区の同胞および台湾同胞、並びに在外華僑同胞に対して、また中国の現代化事業に関心を寄せ、後押ししてくれた世界各国の政府、国際機構及び各国の友人の皆さんに対して、心から感謝の意を表すものである。
この一年間、われわれは科学的発展観を真剣に貫徹し、国際金融危機に積極的に対処し、政府活動に全面的に取り組んできたが、その中で次のいくつかの点を体得した。それはすなわち、市場メカニズムとマクロコントロールの二つの手段を運用することを堅持しなければならないということであり、市場経済をめざした改革の方向性を堅持し、市場による資源配置という基礎的な役割を発揮させ、市場の活力を引き出すとともに、政策決定の効率が高く、強い組織力をもち、力を集中して大事業をなし遂げるというわが国社会主義制度の強みを十分に生かすべきである、ということ。また短期と長期の関係を上手に処理することを堅持していかなければならず、長期目標と短期目標との結合や、末梢と根本を兼ね合わせた問題解決を重んじ、目の前の困難を克服して際立った矛盾の解決に力を入れる一方で、重点分野や脆弱な部分の強化にも取り組み、長期発展の基礎を打ち固めていくこと。さらに国内の大局と国際的な大局の協調をはかるということを堅持していかなければならず、内需の拡大を長期的な戦略方針として位置づけ、互恵・ウィンウィンの開放戦略を揺るぐことなく実行し、内需・外需がともにバランスを保って経済成長を引っ張っていく枠組みの構築を急ぐことである。そして経済発展と民生の改善、社会の公平・正義の擁護との内的統一を堅持しなければならず、民生の改善を軸に発展をめざし、民生の改善を経済発展の出発点、立脚点、また恒久の原動力とし、公平・正義の擁護に着眼し、全国人民が改革・発展の成果を共有できるよう社会の調和と安定を促進すること。最後に、中央と地方の二つの積極性を活用することを堅持しなければならず、思想を統一し、大局に配慮しながら、また地元の実情に相応しい対策を講じ、模索、創造革新することを奨励し、協力して当面の困難を乗り越える大きな力を形成していくことである。これらの経験は、われわれが中国の特色ある社会主義の道を堅持し、社会主義市場経済を運営する能力を高め、現代化のプロセスを推し進めるうえで重要かつ深遠な意義をもつものである。