(六)省エネ・排出削減と環境保護の推進に大いに力を入れ、資源節約型の環境にやさしい社会づくりを加速させる。⑴ 目標達成責任制を厳格に実施する。総エネルギー消費量を合理的にコントロールする対策の制定を急ぐ。省レベル政府の省エネ・排出削減目標の責任評価に対する査定を行う。省エネ・排出削減の業績に対する管理を推し進め、評価査定の仕組み・賞罰制度を充実させる。⑵ 重点分野に優先的に取り組む。一万社の企業を対象とする省エネ・低炭素キャンペーンを実施し、エネルギーを大量に使用する企業・事業体のエネルギー消費に対するオンライン・モニタリングシステムの整備を試験的に行う。エネルギー効率の標識と省エネ製品認証を推し進める。エコ・省エネ建築作業案を実施し、既存建築物の省エネ改良を急ぎ、新型の壁材料の開発を促進する。新エネルギー自動車のモデル事業とその普及に取り組む。公共交通の発展を大いにサポートし、老朽車の廃車・買い換えを奨励する。もっとも厳格な水資源管理制度を実施する。省エネ・排出削減の全国キャンペーンを引き続きさらに展開する。⑶ 重点プロジェクトの建設を加速させる。省エネ技術改良に力を入れ、省エネ技術の産業化モデル、省エネ製品の利民、エネルギー性能契約(EPC)の普及、省エネ能力の開発といった重点プロジェクトの実施に大いに力を入れる。都市部の生活汚水・ゴミ処理の施設整備を推し進め、脱硫・脱硝施設の整備と運営に対する監督管理を強化する。二〇一二年度は、一四五億元の中央予算枠内投資を計上して、都市部の汚水・ゴミ処理施設と汚水処理関連施設網の整備に充てる。都市の汚水処理率と生活ゴミの無害化処理率はそれぞれ八三%、七九%に達し、〇・四ポイントと一ポイント上昇すると予想される。⑷ 循環型経済の発展に力を入れる。循環型経済特別資金の規模を拡大し、産業パークの循環型化を急ぐ。「都市鉱山」モデル基地の整備を強化し、再製造のモデルケースを一歩進めて、生ゴミの利用を推進し、資源総合利用の「双百」(一○○の大型農産物卸売市場を重点的に整備し、一○○の大型農産物流通企業の育成に力を入れること)プロジェクトを実行する。クリーン生産技術の産業化の試行と普及に力を入れ、重点汚染物発生量の削減プロジェクトを実施する。海水の淡水化モデルプロジェクトを推進する。二〇一二年度は、工業付加価値一万元当たりの水使用量を七・二%減とする。工業固形廃棄物の総合利用率を一・〇二%引き上げる。⑸ 政策による指導を強化する。電気料金の区別制度と懲罰制度の実施に大いに力を入れ、排煙脱硝技術を利用する発電所への電力補償制度を試行し、窒素酸化物(NOx)など汚染物質排出料金の基準を適切に引き上げる。固定資産投資プロジェクトの省エネ評価・審査制度を厳しく実行する。省エネ量取引のテストを行う。非化石エネルギーの開発を積極的にサポートし、安全性を確保した上で、原子力発電事業を効率よく推進する。⑹ 生態環境の保護を強化する。重金属汚染や農村のノンポイント汚染(汚染物質の排出源が散在するため、汚染源を特定できない汚染)、重点流域、とりわけ大河川・湖沼の水質汚濁の対策を積極的に推し進め、農作物のワラの総合利用にしっかり取り組み、海洋汚染対策を強化する。大気汚染対策を強化し、重点区域共同対策・共同規制を推し進める。耕地の森林への復元を定着させる特別プロジェクト、第二期天然林の資源保護、防護林体系、青海三江源自然保護区、チベット生態安全障壁などの重点生態系保護プロジェクトを引き続き実施し、定着させ、長江・黄河上中流域、北京・天津風砂発生地、石漠化地域、黄土高原、南方の地すべり地域、東北の黒土地域など重点地域の生態対策を強化する。石羊河流域の総合対策、敦煌の水資源の合理的利用と生態系保護プロジェクトを引き続き推進する。天然草原の回復作業を行う。生態系補償メカニズム関連の立法作業とエコ文明モデル事業にしっかり取り組む。増水期や重点地域における地質災害防御・対策に大いに力を入れる。二〇一二年度は、水土流失の改善面積を五万平方キロとする。新規造林面積を六〇〇万ヘクタール以上にする。⑺ 気候変動対策に地道に取り組む。第十二次五ヵ年計画期の温室効果ガス排出規制作業案を確実に実行し、低炭素経済の試行作業を推し進め、温室効果ガス排出権取引市場づくりを模索し、温室効果ガス排出量の統計・算定システムの確立を加速させ、全社会低炭素経済キャンペーンを実施する。気候変動に対応する国際協力に積極的に参加する。国連の持続可能な開発会議の準備を地道に行う。