三 二〇一二年度の経済・社会発展の主要任務と措置
二〇一二年は第十二次五ヵ年計画の実施において過去を受け継ぎ未来を切り開く重要な年である。経済・社会発展の諸般の活動にしっかり取り組むことは、国際金融危機への取り組みで収めた成果を打ち固め、拡大し、科学的発展を促し、経済発展パターンの転換を速める上で、非常に重要な意義を持っている。経済・社会の発展目標と任務をスムーズに達成するには、安定の中で発展を求め続けるという全般的な基調をしっかりと把握し、「経済の安定成長と物価の安定化や経済構造の調整、民生の優先、改革の強化、調和の促進」という要請にしたがい、重点として次のような十項目の活動に取り組むべきである。
(一)的確性・柔軟性・先見性をさらに高め、マクロコントロールの強化・改善に取り組む。統一した計画の下で各方面に配慮するようにして、諸目標と任務の釣り合いを着実に保ち、成長率と構造、物価の三者の関係を適切に処理し、とくに経済・社会の発展において鮮明になった矛盾と問題の解決と、経済運営における潜在的リスクへの対応をマクロコントロールの重要な位置に据え、マクロコントロールの度合いとペース、重点を正しく把握する。積極的な財政政策と穏健な金融政策を引き続き実施する。財政政策については構造的減税に関する政策を充実させるとともに、適切な財政赤字と国債の発行額を維持し、支出構造の最適化に力を入れ、民生分野への傾斜をいっそう重視する。二〇一二年度は、全国の公共財政収入の予算額を前年度比九・五%増の一一兆三六〇〇億元とし、公共財政支出を前年度比一四・一%増の一二兆四三〇〇億元とする。財政赤字は八〇〇〇億元計上し、前年度より五〇〇億元減とする。そのうち、中央財政の赤字は五五〇〇億元で、地方債の代理発行額は二五〇〇億元である。金融政策については経済の成長と物価の動向を総合的に考慮し、適切な総量を保ちながら、慎重かつ柔軟に対応するという要請に基づいて、マネー・サプライと銀行貸出を適切に調整し、社会融資の適正な伸びを保つ。また、貸出構造の最適化に力を入れ、国の建設中または建設の継続を必要とする重点プロジェクトと保障タイプ住居プロジェクトの建設をよりいっそう支援し、産業政策に合致しており、かつ市場ニーズのある企業、とくに小企業・零細企業への支援を強化する。融資資金が実体経済へより効果的に投入・運用されるように、貸付後の管理を強化する。引き続き高エネルギー消費・高汚染型業種と生産能力過剰業種への融資を厳しく抑制する。金融のシステミック・リスクの防止・監督管理・協調のメカニズムを確立・健全化し、国際間の資本移動に対する監視を強化し、民間金融が規範に則って発展するよう促進する。二〇一二年度は、広義のマネー・サプライ(M2)は一四%伸び、前年度より〇・四ポイント上昇する見通しである。財政・通貨・投資・産業・価格・土地・環境保全など諸般の政策の整合性を高め、マクロコントロールの総合的な力の形成と規制の科学性の向上、実効性の強化に努める。