――人民の生活レベルをさらに向上させる。都市部新規就業者数を九〇〇万人以上とし、都市部登録失業率を四・六%以下に抑え、人口の自然増加率を六・五‰以下に抑え、経済成長と同じペースで、都市・農村住民の実質収入の増加を図り、新しいタイプの農村社会養老保険・都市部住民社会養老保険制度を全国でくまなく実行し、都市部の保障タイプ住居プロジェクト住宅の完工件数を基本的に五〇〇万戸、新規着工件数を七〇〇万戸以上とする。これは主として次のようなことを考慮して定めたものである。二〇一二年度は、経済成長が鈍化するおそれがあるため、雇用者数の拡大や、住民の所得増、保障システムの充実化を図る面において、多くの困難と試練への対応を迫られている。こうした状況の下、経済発展と民生改善の両立を図りながら、民生の保障・改善をいっそう際立った位置に据え、投入を増やし、制度設計を適切に行い、人民大衆の切実な利益にかかわる現実的問題の解決に大いに取り組んで、民生分野における諸般の所期目標をスムーズに達成すべきである。
――引き続き国際収支状況を改善する。対外貿易の輸出入総額の伸び率の所期目標を一〇%前後とし、貿易黒字をいっそう縮小させ、サービス貿易の発展を加速する。引き続き外資利用の構造を最適化し、対外投資を着実に拡大する。考慮すべき要点は以下のようなことである。二〇一二年度は、世界経済全般に明らかな回復が見込まれず、貿易・投資における保護主義がさらに強まり、外需不振が続くことから、わが国の輸出を取り巻く状況は厳しさを増していくと考えられる。とはいえ、わが国は労働力の質が絶えず向上し、技術革新のテンポも速まり、国際市場を開拓する能力がよりいっそう高まっており、全方位、多段階、多分野にわたって経済のグローバル化に参加する総合的優位性を有している。それ故、これまで以上に積極的な開放戦略を実施し、対外貿易の発展パターンの転換を速め、国際市場の変動に潜在している新たなチャンスを機敏にとらえ、伝統的な市場の足固めに力を入れ、新興市場をより一層開拓していくならば、長年の努力によって手に入れた国際市場でのシェアを安定させ、拡大することができ、対外貿易の安定した発展を維持することができる。