(二)農業の基礎としての地位を強化し、新農村の建設を着実に推し進める。(1)農業や農村への投入の度合いをさらに大きくする。耕地占用税の使途を調整し、都市建設整備税の使用方法を改革し、農村建設への投入を増やす。農業の基盤施設の整備を強化し、大型灌漑区における関連施設の再建設・節水改良や、節水灌漑モデル及び中部地区における大型排水ポンプ場の更新・改造を引き続き行い、老朽化し、危険な状態にある大中型ダムや重点小型ダムの修繕・補強作業を速め、小型農地水利の建設をりっぱに進める。農村における用水・電気・道路・ガスの整備をサポートし、さらに三二〇〇万人の農村人口の飲用水安全問題を解決し、メタンガス利用農家を五〇〇万世帯増加し、一群の大中型メタンガスプロジェクトの建設に取り組む。(2)重要農産物の生産の安定した発展を促す。耕地を厳格に保護し、とりわけ基本農地の保護を強化する。食糧主産地と穀物作付農家への助成に大きな力を注ぎ、食糧戦略プロジェクトを実施し、食糧の中核的生産地の整備を速め、予備産地の開発に取り掛かり、食糧総生産高を五億トン程度に安定させる。豚、乳類、搾油作物の発展を助成するための諸政策措置を真剣に実施し、綿花の作付面積を安定させ、搾油作物の作付面積を回復、拡大し、製糖作物の生産を引き続きサポートする。牧畜・水産業を大いに発展させる。(3)農業関係の補助政策を強化し、充実させる。穀物作付農家への直接補助を引き続き実行し、農業資材価格の上昇状況に応じて農民向けの総合直接補助基準を引き上げ、良質種子補助の枠と農機具購入補助の範囲を広げ、食糧の最低買付価格水準を適宜に高める。農業保険の保険料補助テストの範囲を拡大させる。(4)農民の収入増のルートを広げる。高品質・高収量・高効率農業を大いに発展させ、農村の第二次、第三次産業の発展を速め、県域経済を鋭意発展させる。引き続き現代農業のモデル事業と経済の総合的開発を目指すモデル鎮の整備をりっぱに進める。農民が作付構造の最適化と養殖業の飼育パターンの転換に取り組むように導き、農業の産業化経営を推し進める。新農村における実用人材の養成訓練プロジェクトを実施し、出稼ぎ農民への職業技能トレーニングを強化し、その賃金所得の増加を図る。貧困脱却扶助・開発にさらに力を入れ、貧困脱却扶助・開発メカニズムのイノベーションに取り組み、引き続き労務提供による救済事業及び移住による貧困脱却扶助の仕事をりっぱに行い、貧困人口の削減に努める。(5)農業の社会化サービス体系を充実させる。農産物の買付・備蓄・輸送と農業資材配送のサービスを発展させる。農業科学技術普及、良質品種、動植物疫病予防、農産物品質安全及び防災・減災などの体系の整備を強化する。各種類の農民専業合作経済組織や、農業の産業化を先導する企業の発展をサポートする。(6)農村の総合的改革と林地の集団所有権制度改革のテンポを速める。農業支援資金の安定的増加を図るメカニズムを完備させる。農村の土地使用権譲渡を推進し、規範化させる。郷・村の債務解消を積極的かつ着実に進め、主として中央と地方の財政投入を増加することにより、農村の義務教育で生じた歴史的な債務を約三年かけて基本的に解消する。引き続き華僑農場の改革を推し進める。
(三)自主的創造革新の促進に力を入れ、産業構造と市場の競争力を向上させる。(1)自主的創造革新のテンポを加速させる。国家中長期科学技術発展計画要綱の関連政策と実施細則を実施する。重大科学技術基盤施設の整備と知識イノベーション・プロジェクトを積極的に推進し、大型航空機、大型先進加圧型炉及び高温ガス冷却炉原子力発電所などの国家重大特定プロジェクトを全面的に始動させ、国の科学技術計画を着実に実施し、重点的には、省エネ・排出削減、構造調整、新農村建設、民生改善などの分野において一群の重大科学技術行動に取り組む。情報通信、バイオ、省エネ・排出削減などの分野で一群の国家工程実験室と国家工程研究センターをつくり、一群の国家認定企業技術センターをサポートする。ベンチャー起業向けの財政助成のテスト範囲を拡大し、一部の国有資本経営で得た予算収入で企業の自主的創造革新をサポートし、企業が研究開発への資金投入を増やすよう奨励、誘導する。産・学・研の結合を推し進め、創造革新型企業を育成する。企業のイノベーションをサポートするプラットフォームを構築し、独自の知的財産権を有する技術、基準及び独自のブランドを支援する。基礎研究、先端技術と社会公益的技術の研究をバックアップする。知的財産権の保護に力を入れる。(2)ハイテク産業を大いに発展させる。第三世代移動体通信技術、地上デジタルテレビ放送に関する国家基準、次世代インターネットなどの重要成果の普及、応用を促進し、引き続き新型ディスプレイ、ブロードバンド通信・ネットワーク、バイオ医薬、新素材などの一群のハイテク産業化重大特別プロジェクトの実施に取り組む。情報サービス、バイオ、新エネルギーなど十の分野で一群のハイテク産業基地を築き上げる。情報化テストのモデルプロジェクト建設を積極的に行う。(3)規模の大きい工業から実力をもつ工業への転換を促す。大型でクリーンかつ高効率の発電設備と高性能NC工作機械や基礎製造関連装備などの肝心な分野をめぐり、重大装備とカギとなる部品の自主的研究開発を推し進める。現代的なエネルギー資源と原材料産業を積極的に発展させ、再生可能エネルギーのウエートを引き上げ、鉱産物資源開発の統合を加速する。在来産業の改良・高度化を加速させ、鉄鋼、自動車、セメント、石炭、製紙、装備製造などの分野における企業の吸収合併・再編を誘導、促進し、国際競争力をもつ大手企業グループの発展を奨励する。(4)サービス業の発展環境の改善を図る。サービス業の発展を促進する具体的な政策措置を制定し、実施する。国家奨励類のサービス業に対し、工業に適用する電力・水供給価格と基本的に同等の価格を実施する。条件の備わった一部の分野と地区を選んで、サービス業の改革テスト作業を行う。サービス系企業の起業に関する諸手続きを簡素化する。民間の資金がサービス業のカギとなる分野および脆弱な部分へ投下されるよう誘導する。