農民が見た2010中央1号文書

タグ: 建材下郷  財政投入不足  都市住民になりたい

発信時間: 2010-03-25 16:42:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

北京週報誌記者 蘭辛珍

山西省嵐県の農民の劉利民さんは2010年中央1号文書の内容を熟知している。記者はこれを意外に感じた。

「われわれはあなたたちよりもっと1号文書に関心を寄せている。文書はわれわれの利益に関わるからだ」と劉さんは記者に言う。

中央1号文書は「三農」(農業、農村、農民)問題を焦点にしている。これは中国の多くの農民に知られていることだ。「われわれが1号文書を知るルートは2つあり、1つはテレビの報道で、もう1つは村で行われた共産党員の学習会だ」。劉さんは言う。

テレビが普及した中国の農村部では、衛星受信器を通じて中国大陸部のテレビ局数十局のテレビ放送が視聴でき、一部の地区で香港の「鳳凰衛視(フェニックステレビ)」も視聴できる。テレビは中国の農民が外界の情報を知るための主な手段となった。

農民が村の共産党員学習会を通じて政策を学習し、理解することは中国特有のものだろう。共産党員には学習の規定があり、1号文書は農村の末端党組織が学習する内容だ。学習会に参加した党員は村民と世間話をしたときに政策の内容を村民に伝達し、村民も政策を支持するか、それに反対するかを直接言うことができる。

「2010年中央1号文書をどう見るのか」と聞いたところ、「われわれはもちろん歓迎する。中央はわれわれをこれほどまでにサポートしてくれて、受益者はわれわれだ。このような政策は多ければ多いほどいい」と劉さんは答えた。

「建材下郷」に期待

「今年の1号文書について、私が最も関心を寄せているのは、農民が自宅の建設において政府からの補助金を受けられることだ」と劉利民さんは言う。

劉さんの家はあまり古くはなく、8年前に建てられたものだが、台所が寝室、客間と隣接しているため、部屋の間取りが合理的ではない。「マイホームを建てた当初、部屋の機能によって間取りを配置することまで考えていなかった。でも現在は、住まいを建てるには都市のように部屋の配置に工夫を凝らす必要があるから、この機会にマイホームを改築しようとしているところだ」。

昨年、中国では「自動車下郷」、「オートバイ下郷」、「家電下郷」(農村部で交通手段や家電の普及率上昇を促進するために、指定された交通手段や家電機種について補助金を出すという政策)が実行された。多くの農民が政策を利用して自動車、オートバイ、冷蔵庫、テレビ、パソコンを買ったり、買い替えたりしたため、パソコンの農村部における販売成長はその他の家電を上回り、ブロードバンド利用者も徐々に増えてきた。国の支農恵農(農業をサポートし、農民に実益をもたらす)政策のおかげで、昨年、農村部の消費の伸び率は初めて都市部を超えた。国家統計局のデータが示しているように、昨年、全国の県および県クラス以下地区の消費財小売額の伸び率は都市部より0.2ポイント高かった。

「自動車下郷」、「オートバイ下郷」、「家電下郷」政策に次いで、中央1号文書は農民の住宅建設への支援を内需拡大の重要な措置とし、有効な措置をとって「建材下郷」(農村部での建材購入に補助金を支給する新たな政策)を推進し、条件を備えた地区がさまざまな形で農民の合法的な住宅建設を援助することを奨励すると提言した。

「建材下郷」の推進について、財政部、住宅都市農村建設部、商務部は「家電下郷」のネットワークを利用するか、それとも住宅都市農村建設部が行っている危険住宅改造のテストケースと結び付けるかを相談中で、まだ具体的な実行案を出していない。

「多くの人が一生貯えてきたお金を使って家を建てるのだ。建材購入に補助金を支給することはわれわれの負担を軽減できる」、と劉さんは同方案の早急な実施に期待を抱いている。

中国社会科学院農村発展研究所の李国祥副主任は、「『建材下郷』は農民の住宅建設の負担を軽減できるだけでなく、農村消費の新しい成長点でもある。農村住宅の改善であろうと危険住宅の改造であろうと大量の建材を必要とし、消費を刺激する空間も大きく、民生の改善にも有利だ」とし、「農村部における潜在的住宅消費が活性化されれば、その成長率は都市とほぼ同じで、少なくとも10年ほど続くことになるだろう」と指摘している。

李副主任は農村の建材市場を早めに育成し、「建材下郷」を推進し、偽造かつ粗悪な建材を防止し、今後の住宅品質に後難を残さないことを望んでいる。

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