文=戴旭
中国空母の予想図
中国の航空母艦はどこにいるのか。紙面に、13億の中国人の心の中にも。
改革開放30年来、すべての中国人が共有し、恒常的な軍事トピックとは何かと聞けば、大半が航空母艦、と即座に答えるだろう。
さらに、なぜか、と問えば。
実際、その答えも非常に簡単だ。海、それは中国と世界を一体にするものだが、中国は海上ルートの安全を保障することはできない。そればかりか、周囲の海域では波風が立ち込め、煙が周囲に起こり、祖国はまだ統一されず、領海や島嶼は侵害されている――。
関連ニュース:
◆中国周辺海域で重大シグナル
1993年に起きた事件は、中国人の海に対するイメージをより深刻にし、より重苦しいものにした。米国は中国がイランに化学原料を輸送したとの疑惑を抱き、米海軍が公然と公海上で中国商船「銀河」号を臨検し、緊張は1カ月余り続いた。中国人が海上ルートの危険を肌で感じたのは、これが初めてだ。考えてみたい、「銀河」号の後方に中国の空母艦隊がいれば、米海軍は果たしてこうした行動に出ただろうか。
09年、中国周辺の海域で動揺が長年続いた後、突然、同時に重大なシグナルが発せられた。まず、遥かかなたのソマリア海域で、中国商船が海賊に拉致された。続いて2月初め、日本メディアは釣魚島海域に大型巡視船を駐留させると報道。さらに、日米が沖縄列島と沖の鳥岩海域で中国を視野に海と空の演習を立て続けに実施。その後、3月初め、米韓が朝鮮半島で過去最大規模の総合演習を展開した。
こうした演習の間を縫うように、各地で火花が飛んだ。フィリピンは黄岩島をフィリピン「所属の島嶼」と宣言。マレーシアの国防相が中国の島礁を視察。米国の諜報船が南中国海で中国船と問題を起こし、米国はフィリピンに砲艦を寄贈する、台湾の対潜哨戒機をグレードアップすると宣言。インドの大統領が不法に占領する中国のチベット南部地区を視察。米国の無人機がテロリスト取締りを名目にパキスタンのバルチスタン州、中国の海外での投資が最も集中する地区、中国唯一のインド洋に面した場所を意のままに襲撃。