このことから、米国の最近の動きにさしたる新たな意義はなく、これによって中・米および東アジアの今後の基本情勢を変えることはできないばかりか、東アジア発展のリズムに影響を与えることすらないだろうということがわかる。米国は未だ政策上の「特効薬」を発明してはおらず、単に従来型の高圧的で直接的な「口出し」から、そそのかしによって他者の関係を裂くという間接的な「破壊」へと転換したに過ぎない。これは、ゲリラ部隊が両側の敵営にそれぞれ手榴弾を投げ込んで彼らの「仲間割れ」を引き起こす、という方法に少し似ている。
米国は軍事上中国に挑戦する力なし
米国の対中政策に新味が欠けているのには理由がある。最も根本的なものは、当然のことながらやはり実力関係の変化だ。我々は中・米両国の経済力が不断で連続的なものであることも論じないし、国際情勢上保守主義が後退傾向に転じたことも語らない。ただ、昨今人々がしきりに話題としている「中国第二」をもってすれば、米国の心中の勢いの強弱を説明するに足りるだろう。
中・米の東アジアにおけるパワーバランスは、戦線の設置や体制の環境などの多様な要素からなる両国の総合力の競争を通じて、統一的な計画に基づき形成される戦略的なものである。このような局面は、疑いなく中国にとって、平和の発展にとって、東アジアの安定にとって、そして米国民の平和に対する熱い想いにとって有利なものとなってきているものといえる。したがって、米国は確かに中国よりも強大ではあるが、中国に軍事的挑戦をする力はない。それが中国の玄関口においてとなれば、なおさらである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月3日