2006年7月、日本の調査団により処理された遺棄化学兵器の分布図
マカオ日刊紙「澳門日報」の評論欄に先日「日本は遺棄化学兵器の撤去・無害化を徹底的に実施すべき」というタイトルの文章が掲載された。評論の文章には、「中国に遺棄した化学兵器の危険性に対し、日本が正視し、責任ある態度をとり、さらに人的・物質的資源を投入していくことを期待する。1日でも早く、旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器をすべて撤去・無害化し、被害者に対し必要な賠償を行うことを期待する」と記述されている。
掲載記事の要約を以下に示す。
日本が降伏文書に調印した日(1945年9月2日)の次の日の9月3日は、中国では対日戦勝記念日とされており、今年は65周年にあたる。旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器を無害化する処理施設が江蘇省南京市にこのほど完成し、1日、その作業の開始を宣言する式典が行われた。菅直人内閣で内閣府副大臣に就いた平岡秀夫衆議院議員が、日本政府を代表し、その稼働の宣言を行った。
半世紀以上も遅れてしまったとはいえ、この決定は、日本が中国への侵略戦争の後始末として正しい選択を採った大きな一歩になる。中国政府の代表である張志軍外交部副部長はこれに対し、歓迎の意を表し、「日本が一日でも早く遺棄化学兵器を撤去・無害化することは、中国の関連地区で暮らす住民の生命や財産、および生態環境の安全に対する脅威や危険性を失くし、被害を受けた地域に暮らす人々が受けた戦争の傷をふさぎ、日中関係の健全かつ安定した発展を推し進め、両国間の友好を深めるのに有利となる」と表明した。
第二次世界大戦期間、日本の軍国主義者らは、侵略による対外的な領土拡張のために、化学兵器を大量に開発し、中国の侵略戦争に用いた。統計をみると、使用日時、場所、使用後の傷害状況の記録が確実に残っている例は、1,241例に達している。化学兵器により死傷した中国の軍人や民間人の数は20万人にもおよんでいる。
敗戦後、国際法に違反して使用した化学兵器の証拠を隠滅するために、旧日本軍は、何百万個もの化学兵器を中国国内の土中に埋め、あるいは河川や湖沼に遺棄した。これらの化学兵器が戦後においても中国国民に深い傷を与えている。
旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器は、中国に侵略した期間において犯した重大な罪の一つである。これら化学兵器の撤去・無害化処理に対し、日本政府は逃れられない責任を負っている。
中国に遺棄した化学兵器の危険性に対し、日本が正視し、責任ある態度をとり、さらに人的・物質的資源を投入していくことを期待する。1日でも早く、旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器をすべて撤去・無害化し、被害者に対し必要な賠償を行うことを期待する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月16日