国務院新聞弁公室は29日、「中国の反腐敗・廉政建設白書」を発表した。新中国成立後、特に改革開放以来、中国共産党と中国政府による一貫した腐敗への断固たる反対と廉政建設(クリーンな政治の確立)の強化に関する基本的状況を、全面的かつ系統的に国内外に紹介する初の白書だ。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
約1万6000字からなる同白書は、冒頭から「腐敗への反対、廉政建設の強化は中国共産党と中国政府の断固たる立場である。反腐敗と廉政建設は国家の発展の全局、最も広範な人民の根本的利益、社会の公平・正義・調和・安定に関わる。腐敗を断固処罰し、効果的に防止し、廉政建設の強化に力を入れることは、中国共産党と中国政府の一貫した主張である」と、その主旨を明らかにしている。
白書は「中国の反腐敗・廉政建設は現在までにすでに明らかな成果を上げ、系統的対策と全体的推進という良好な態勢を呈している。反腐敗・廉政建設の踏み込んだ実行によって、国益、公共利益、公民の個人利益は有効に保護され、改革・発展・安定局面は不断に強化され、富強・民主・文明・調和的な社会主義現代化国家の建設は重要な歩みを踏み出した。経済体制、社会構造、利益構造、人々の思想観念に深い変化が生じていることから、各種の社会矛盾が顕在化し、各制度になお不備があり、一部分野でなお腐敗が多発し、莫大な金額の関わる事件も発生し、法律や紀律に違反する行為の隠蔽化、巧妙化、複雑化が進んでいる。反腐敗は依然厳しい情勢にあり、その任務は重い」と分析する。
白書はまた「中国共産党と中国政府は反腐敗と廉政建設の長期性、複雑姓、困難性を常に冷静に認識している。引き続き腐敗処罰・防止システム整備の全体計画に基づき、さらに断固たる決意と力強い措置によって、断固腐敗を処罰し、効果的に腐敗を防止する。反腐敗と廉政建設の実際の成果によって人民の信頼を勝ち取る」と強調している。
白書の腐敗処罰関連統計によると、各級人民検察院は03潤オ9年に計24万件以上の各種汚職事件を立案捜査し、09年には贈賄罪で3194人の刑事責任を追求した。商業贈収賄の取締りを集中的に行った05年から09年までに、全国で6万9200件以上の商業贈収賄事件を処分した。関係額は165億9000万元に上る。09年には指導幹部7036人に対して問責を行った。
白書に引用された国家統計局の世論調査によると、反腐敗・廉政建設に対する中国国民の満足度は03年の51.9%から10年には70.6%へと安定して増加。マイナスの腐敗が多かれ少なかれ抑制されていると考える国民の割合は同68.1%から83.8%へと増加している。
「人民網日本語版」2010年12月30日