資料写真:ロシアの艦隊
日ロ両国の南クリル諸島(日本名・北方四島)をめぐる摩擦が激しくなっている。ロシア軍総参謀部の某高官は16日、ロシアはクリル諸島に最新のS400対空ミサイルを含む近距離・長距離防空システムを配備すると述べた。同時に、ロシアの日刊紙「プラウダ」が「仮に日本が武力で島を争奪した場合」と題し、ロシアはクリル諸島の兵力強化を急ぐべきだと呼びかける文章を発表した。概要は次の通り。
▽日本はグルジアより強敵
今のところ南クリル諸島に関する「交戦」は外交面にとどまっているが、外交的な努力が徒労に帰した時に日本が何を選択するかは誰にもわからない。過去の例をみても、領土問題の多くは武力で解決している。08年8月、ロシアとグルジアは北オセチアで戦火を切った。当時、グルジアはロシアに真っ向から対立できないだろうというのが大方の見方だったが、グルジアのサーカシビリ大統領はロシアの核兵器に怯まず、過去にグルジアに属していた領土を取り戻すことを夢見た。日本はあらゆる点でグルジアに勝る強敵に違いない。しかし日本の指導者はサーカシビリ大統領よりも理性的であり、また日ロ両国の経済関係も開戦を許さない状況にある。しかし過去の経験が示すように、政治的立場が経済的利益を圧倒する可能性がある。日本はこれまで「民族の戦闘精神」の回復に努力し、世界の強国倶楽部に返り咲いた。
▽ロシアメディア、日本の両用戦力を懸念
2010年の日本の軍事支出は世界5位の443億ドルで、ロシアの376億ドルを大きく上回った。日本の海上自衛隊は地域で脅威的な海戦力を誇っている。戦艦、補給艦250隻以上、駆逐艦40隻のうち8隻は最新鋭のミサイル駆逐艦で、数百キロメートル以上先の目標を攻撃できる。さらに空母と両用強襲艦の役割を担う強襲揚陸艦4隻(或いは5隻)も配備している。
日本の幹部によると、海上自衛隊は陸戦隊を全面的に回復し、「機動突撃部隊」で「沿岸地域の現れる可能性のある敵」に対抗しようと企てているという。このことは、日本が両用戦力を積極的に増強していることを説明している。
▽弱みにつけ込む日本に警戒