米紙ニューヨーク・タイムズの電子版は2月28日、「片目で中国を監視、日本は軍事力を強化?」と題する文章を発表した。内容は次の通り。
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沖縄の飛行場は米国が冷戦時代に建設したものだ。しかし今や飛行場の戦闘機についているのは日本の国旗だ。
日本のF15戦闘機は現在、急速に近代化している中国との間で繰り広げられる東中国海のことで忙しく、「猫とネズミの追いかけっこ」で時に緊張感が漂っている。操縦士によると、益々先進的になる中国の戦闘機が日本の制空域に「進入」し、なかにはロシア製のスホーイ27戦闘機も見られるという。
戦闘機24機を有する那覇中隊の山田司指揮官は「空中でスホーイ27に対抗するときには決して油断できない」と話す。
同隊はまもなく援軍が得られる。昨年12月、東京は那覇に12機のF15戦闘機を増やすなど沖縄西南部の軍事力増強計画を発表した。これは日本の中国に対する防衛強化の重要な転換のひとつといえる。日本の戦後の軍事戦略で最も重大な転換だという声もある。
この戦略転換は限られた軍事力の拡大をねらう日本の別の一歩でもある。日本は経済力が衰退する中で、反戦を謳う憲法の境界を越えずにアジアで変化している力のバランスになんとか追いつこうとしている。日本はその軍事力を少しずつ増強して勢い込んだ中国や核兵器をもつ朝鮮に対応し、米国の影から抜け出る第一歩をためらいながら踏み出そうとしていると政治専門家は指摘する。米国は日本の戦後の保護国だったが、米国が日本を守る意志や能力を失う日が訪れるのはないかと日本人の多くは心配している。
慶応大学国際政治学の細谷久一教授は「そのことで日本は苦しく自己反省している。日本は現在、中国の力拡大という現実と米国の約束に対する疑いとの間で進退窮まっている」と語る。