▽準備しておけば慌てない
準備といっても物質的な準備だけでなく、常日頃からの防災訓練や緊急訓練を行うことも必要だ。日本で地震が発生後、現場に駆けつけた外国人記者は、日本人が落ち着いて整然としているのに敬服した。「民族性」だという意見もあるが、危険に直面しても社会や人々が混乱しないのは先天的なものではなく、災害が頻繁に起こる現実的プレッシャー、それに地震に関する知識や避難訓練などを通じて長期的に培われたものだ。
しかし日本のように、いくら準備が万端でも、突如襲ってきた大地震と大津波の前では落ち度があった。例えば、津波の脅威が予測を上回ったことや、原発事故発生後の情報通達の遅れ、放射線漏れにより世界的なパニックを引き起こしていることなどがあげられる。ただできる限り多くの準備をしておけば、そんなに慌てなくてすむのは確かだ。日本の経験から数々のことを学ぶことができる。
福島原発の放射線漏えい事故の後、中国の原子力発電所の安全に対する要求も高まった。原子力発電所は日頃の安全な生産だけではなく、大地震や津波など極端な環境下にあっても安全を確保しなければならない。
関係当局は現在、積極的に情報公開を行い、疑問の声に答えている。例えば、上海市政府の報道官は、連続的な環境測定と大気分析の結果に基づき、放射線汚染は今のところ上海に影響を与えていないという情報を市民に直ちに伝達し、新華社などは「放射線への緊急対応の仕方」など防護策を発表している。こうしたことが知識向上につながり、市民は事前に対応準備や心の準備をしておくことができる。
政府がすでにどんな安全措置を取り、どんな準備をしているかを市民に知らせれば、社会がパニックに陥ることはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月17日