中国の政治について少し常識のある人なら、中国の特殊な環境の下では、旧来の「政治最優先体制」や「計画経済体制」からの脱却は政治変革によってのみ可能な過程であったことが理解できる。旧体制は政経不可分(企業が党・政・企の三権合一、農村が政社合一の人民公社体制であることなど)を特徴としており、中国の改革の過程とは政経不可分という問題を解決し続ける、経済改革と政治改革の相互作用の過程であったからだ。この観点に立つと、中国は確かに多くの政治改革措置を経済改革の中に盛り込み、主に経済発展や民生改善に関連してこれらを推進してきた。要するに中国の各種の政治改革にはすでに相当な蓄積があり、その深さや幅は外国の人々の認識を遥かに上回るものなのだ。中国の政治改革の独特な方法には不完全な部分も多くあるが、全体的にはやはり政治的な知恵の体現なのである。少なくともこれによって政治改革の一方的推進によってもたらされうる巨大な社会リスクが軽減され、多くの国々が急進的な政治改革によって経験した政治的動揺、さらには国家の解体が回避された。
中国の進めた政治改革について一部の人が見て見ぬふりをするのは、彼らの視野が狭いためだ。彼らは西側の政治モデルのみを認め、西側のいわゆる「民主体制」と同じでないというだけで、政治改革がまだ行われていないと考える。もう少し視野を広げ、西側の「民主体制」以外にも、形式の異なる、各国の特徴に符合した「民主体制」の追求を認めれば、中国の政治改革を寛容で穏やかに、さらには喜びすらもって受け止めることができるだろう。
「人民網日本語版」2011年3月30日