▽着実に総合軍事力を配備
こうしたなか、自衛隊の兵力調整と武器・装備の配備にも新たな特徴がみられ、遠距離と近距離それぞれの武器配備と作戦プランを立てている。
日本から比較的遠い海域としては、周辺海域と中国の東中国海空域をコントロールしようとしているが、これには周辺海域の状況をより詳しく理解するとともに、制海作戦の能力をもつ必要がある。そのため日本は「中期防衛力整備計画」で、長期有効な情報収集・監視・偵察能力強化の必要性を強調した。この目標を達成するため、日本は琉球諸島に陸上監視レーダーを配備し、海上パトロール機の活動範囲を広げる航空施設を建設する予定だ。また、琉球諸島周辺の重要な海上航路を防衛するため、まったく新しい駆逐艦、ヘリコプター駆逐艦、潜水艦、新型対艦パトロール機の配備を計画している。
次に、琉球諸島の海岸地域では、日本本土に脅威をもたらす敵海軍の巡航と水陸両方からの行動を防御する力を整えていく方針だ。そのため、中期防衛力整備計画では防御体制の調整がなされた。最も注目されているのが、陸上自衛隊の配備が南方の島嶼へと傾斜したことだ。また、同地域の突発的な任務に対応するべく、陸上自衛隊には新たな部隊が結成された。武器・装備に関しては、島に対艦ミサイルと防空ミサイルを配備するよう呼びかけている。
同戦略がさらに進められると、東中国海および琉球諸島沖の海域の海空監視能力が強化されることになる。昨年、英軍事週間誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは、日本は琉球諸島に軍隊を配備し、レーダー基地を建設する計画だという情報を伝えた。今年2月中旬、西南諸島の防衛を強化するため、陸上自衛隊は米カリフォルニア州サンディエゴで水陸両用訓練を行った。さまざまな情報から、日本が遠近両方の軍備力を強化し、琉球諸島を中心とする「国土防衛」戦略を全力かつ全面的に実施していることが明らかになっており、隣国の戦略的安全保障への影響は回避できない。
▽隣国の懸念
日本がこのまま海陸空軍力の発展と統合を推進し、米軍の支援で琉球諸島の軍事的存在を強化すれば、他の国にとっては「国土防衛」戦略ではなく、「地域封鎖」戦略としてうつる。自国の国土を守ると称して他国の航路を脅かし、他国の戦略的空間を圧迫する軍事戦略に隣国は憂慮を示し、軍備競争或いは地域情勢の緊迫につながる可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月25日