現オバマ政権は、その安定が南アジア全体に関係するカシミール地方の重要性を認識している。オバマ大統領は「インド、パキスタンと誠実に協力し、カシミール問題の解決に真面目に取り組む」方針を示し、「次期政権の重要な課題」とも明言している。このためオバマ大統領は南アジアに繰り返し特使を派遣。インド国民に向けて「皆さんは台頭への扉を前にしている。それでもこの機会を逃したいのか?」と情熱を込めて語りかけもした。
一方パキスタンからは「インドが何をしているか、そして今われわれが何をしているか見てみろ。それでもわれわれにとって最大の脅威はアフガニスタンなのか?」と不満の声も上がっている。ウィキリークスはカシミール問題において米国が早くからインドと妥協していたことを暴露した。インド側はカシミール問題の完全な解決の前に、パキスタンを弱体化させることを米国に要求していた。
現在の南アジアは第一次大戦前の「火薬庫」バルカン半島に酷似している。インドとパキスタンが敵視し合い、超大国米国がどこにでも存在することで、地域情勢の迅速な平和・安定化は不可能になっている。米国が再び火に油を注ぎ、両国が本当に核戦争を始めた場合、米国はその責任を負うことができるのか?
「人民網日本語版」2011年6月8日