中国共産党は創設90周年を前に、自らの執政経験と結びつけて西アジア・北アフリカ情勢動揺の歴史的教訓を深いレベルで総括することで、自らの国家統治の成功経験をより堅固に堅持すると同時に、自らの直面する圧力や試練についてより明確な認識を得ることができる。(文:劉中民・上海外国語大学中東研究所教授。「環球時報」掲載)
第1に、中国共産党は常に発展を執政・興国の最重要任務と位置づけている。西アジア・北アフリカ情勢動揺の本質的原因は発展の危機、特に発展モデルの危機である。一方、中国はすでに政府主導型の市場経済発展モデル、自らの国情に合った自主的な発展の道を見出し、かつ世界の注目する成果を上げている。
第2に、中国共産党は時代に合わせてたゆまず自らの政権の合法性を強化し、政権基盤を強化・拡大している。西アジア・北アフリカの共和制国家は硬直化した政治体制、老人による政治、強者による政治の弊害によって、君主制国家は因習を墨守することによって、その政治的合法性を次第に喪失し、民衆から抗議され、反対される対象となった。
第3に、中国共産党は開放と安定の関係を適切に処理し、開放と秩序のバランスを比較的良く保っている。西アジア・北アフリカの動乱の根源の1つは、多くの国が開放と安定のパラドックスに陥ったことにある。グローバル化によってアラブの民衆、特に青年の間で改革と開放を求める声が拡大し続けたが、統治層は開放による政権への衝撃に対する自信がなかった。一方で開放を避ければ経済的繁栄は必然的に不可能で、権力基盤も削がれることになる。