◇中国が知っておくべきこと
資料写真:空母で救援物質を運ぶ米軍
東アジアの最も重要な軍事同盟である日米同盟のどんな変化も中国の神経を刺激する。震災後、日米同盟は強固になっていくと思われることから、中国はそれに関する全面的な認識を持っておくべきだ。
先ず第一に、日米同盟が強固になれば中国にとっては不利になる。今回開かれた2プラス2の声明で共通の戦力目標の一つとして「中国が国際的な行動規範の順守し、地域に責任を持ち、建設的な役割を果たすよう促す」と明文化されたほか、海上ルート、ネットワークセキュリティ、レアアース資源の多様化、宇宙空間利用などの内容も間接的に中国に向けたものでだといえる。
第二に、日米同盟強化のレベルを過度に評価するべきではない。日米同盟は冷戦の産物であり、米国にとっては東アジア全体戦略の重要なコマである。その重要性は連戦後の今だに軽減されていない。日本にとって日米同盟の有効性は朝鮮半島有事或いは日中関係危機の状況においてのみ体現される。そのため双方はいずれも同盟を必要としているが、その動機がまったく一致しているわけではない。特に日本がどの程度同盟を維持するコストを支払うのを望んでいるかは疑問だ。普天間問題の長期化は日本の政治的意向が不十分であることを反映している。
最後に、日米同盟の対中国の一面を過度に評価するべきではない。冷戦中、日米同盟はソ連に対するものであると同時に、日本が再び軍事大国の道を歩むのを阻止するためだった。特に日本が「核大国」になるのに「蓋」をする役割があった。中国にとってもそれが有利となってきた。冷戦後の今でもこの“蓋”はまだ効果を発揮している。
日本では、中国が大規模に日本に侵攻すると見ている安全保障専門家はいない。冷静かつ客観的、全面的に日米同盟を見て中国に有利なことと不利なことの二面を理解することは中国が正確に日本・米国との関係を処理するのに役立つ。さらには中米、中日間の戦略的共通利益をできる限り見つけることが、積極的な大国ならではの外交政策を確立する手助けとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月30日