新疆ウイグル自治区の和田市で18日、暴徒による派出所襲撃、人質事件が発生した。人質2人を含む4人が死亡し、暴徒数人が射殺された。この「中国西部の敏感な地域」で起こった暴力事件は、すぐさま西側メディアの興味を引き、2年前にウルムチで発生した「7・5」事件と同じように注目を集めた。
中国公安部が18日午後に発表した情報によると、同日正午、新疆和田市のある公安派出所で暴徒による襲撃事件が発生した。暴徒が派出所の警察官を襲い、人質を取って建物に放火した。公安、武装警察官らは直ちに現場に駆けつけ、暴力を振るって抵抗し続ける暴徒数人を射殺し、人質6人の解放に成功した。事件は午後1時30分には制圧された。同事件により、武装警察官1人、警察協力員1人、人質2人が死亡し、警察協力員1人が重傷を負った。その後の処理作業が現在進められており、国家テロ対策工作協調グループ弁公室が新疆に赴き、事件の処理に当たることになっている。
AP通信などの西側メディアは18日、中国政府側のメディアの報道を引用した際に暴徒という言葉に引用符を付けたが、それに対し、「新疆独立」組織「世界ウイグル会議」の話を引用する際はもっと大胆に思える。ドイツにいる同組織のスポークスマンは、AFPやAP通信などの西側メディアに対し、100人を超えるウイグル族が「政府の違法な土地収用」に抗議し、「7・5」事件の親族の行方を知るために平和抗議を行い、警察官と衝突したと主張。さらに、「警察側は抗議者に向けて発砲し、13人が逮捕され、少なくとも1人が重傷を負った」とした。
「この言い分はまったくのでたらめ」と、新疆ウイグル自治区新聞弁公室の候漢敏主任は18日、「環球時報」に対して襲撃事件の詳細を語った。候主任によると、和田市でこの日、いわゆる平和抗議はなく、同事件は組織的で計画的な公安派出所を狙った暴力テロ襲撃事件である。暴徒らは爆弾装置や燃焼瓶を持ち、最初に派出所近くの工商局と税務所に入り2人を襲った。その後、狙う対象を間違えたことに気づくと、派出所に入って攻撃し、1階から2階に乱入し、分裂主義を旨とする旗を掲げた。暴徒らは派出所に放火し、人質を取って殺害し、駆けつけた武装警察官や警察官らと対峙した。こうした行動や彼らが持っていた武器は、この事件の性質をはっきり裏付けるものだ。
2年前の「7・5」事件が発生した後、西側の一部メディアは、事件による死傷者やその家族の苦痛を顧ることなく、「世界ウイグル会議」などの海外「新疆独立」組織の誤った言い分を広め、事件の原因を「中国が反テロにかこつけてウイグル族を鎮圧したため」とした。今回、一部の西側メディアは以前より騒いでいる。フランス国際放送の中国語サイトは18日、「新疆で警察襲撃事件、鎮圧で数人死亡」と題し、盾と警棒を手にした武装警察の写真もあわせて掲載した。その写真には、「新疆和田で7月18日に派出所襲撃事件が発生し、直ちに警察に鎮圧された」という注釈がつけられている。ところが、このAFPが提供した写真の撮影日は2009年7月6日だ。
中国人民大学の金燦栄教授は18日、「環球時報」に対し次のように述べた。西側メディアのこうした無責任なやり方は、中国の民族関係の破壊をそそのかすものだ。2年前はそうであり、今も変わらない。同じテロの被害者である西側諸国は、そのメディアがテロリストの宣伝道具になるべきではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月20日