現代化に伴い発生する「文明の危険性」を、われわれは十分に意識し、十分な対策を講じる必要がある。
23日に温州市で高速列車追突事件が起きると中央と地方の関係部門が救助活動を重視し、鉄道、消防、医療各当局が直ちに救援活動、医療活動、身元確認にあたった。温州市民が自発的に現場で乗客の搬送を手伝い、献血所の前に長い列をつくったことは感動的だった。
高速列車追突事件は多事多難の夏をさらに痛ましいものにした。ずっと安全と思われてきた鉄道の事故は、なおさらに大きな社会的影響をもたらす。
メキシコ湾の原油流出や福島第1原発の放射能漏れ。現代社会は科学技術の発展に伴い密集度や複雑性も増している。技術の先進化に伴い、相互依存や相互影響も深まっている。ささいなミスや細かな手抜かりも危険性を生じ得る。
今日の中国は、なおのこと「危険性のカプセル」の中にある。欧米諸国が数百年かけて歩んだ近代化のプロセスを濃縮した結果、さまざまな危険性も濃縮された。都市化、工業化、情報化、近代化は人々に多くの「文明の成果」をもたらすが、それに伴い生じる「文明の危険性」も避けがたい。したがってわれわれは危険性を十分に意識し、十分な対策を講じて、急速な発展の時代に頑丈な「安全ベルト」を締める必要がある。