◇名称の改革は保留し権限を規制
信頼をめぐる危機の後、日本はこの60年余にわたって政財界の数多くの腐敗をえぐり出してきた機構の見直しを開始し、国内では名称の更改などの問題について激しい議論が交わされた。検事が独立した調査・逮捕・公訴権を有すること自体リスクが非常に大きく、特捜部は解散すべきだとの意見もあったほどだ。
11年6月中旬、東京地検特捜部の副部長クラス以下の検事たちが研究討論会を開いた。この看板の価値を否定することはできない、現在の苦しい状況も、決して看板を取り替えればそれで済むというものではない、当面の急務は捜査による証拠収集に関する規範を厳密化して、国民の信頼を回復することである、名称を変えても実質的な意義は何もない、といった意見が多かった。最高検察庁が7月8日に公表した改革案では、多くの有益な提言がなされている。
先ず、専門員会を設置する。内部の不正行為を専門に調査する観察指導部を設置し、検事の違法行為を監察する。外部から検事の専門知識不足が指摘されているため、さらに6分野に及ぶ専門委員会を設置する。金融や証券、飛行機事故などの特殊な過失事件・事故、郵便物の復原といった科学捜査などの分野が含まれている。
次に、権限を制限し、力を調整する。批判の中で最も多いのが、特捜部が逮捕から起訴まで自ら捜査する権限を有していることだった。これが高官や議員を非常に震え上がらせる原因でもあり、今回の改革ではその力を縮小せざるを得ない。その一方、権限の呼び声は非常に高いが、税金逃れや証券取引といった経済案件の調査に参加する検事は依然、増え続けている。東京地検は他の機関が告発する事件を処理する財政経済班について、現在の1班から2班体制に拡大する。
第3に、全面的可視化を実現する。江田五月法務相は取り調べの過程での全面的な可視化を推進することを提起。可視化の導入によりある程度、取り調べは束縛を受けて難しくなると言えるが、検察側は受け入れに前向きである。新たなメカニズムを導入し、悪いイメージを改める絶好の機会にして、現在の“陣痛”をできるだけ早く収束させたいと強く望んでいるからだ。
今回の改革はじきにプラスの効果が現れるだろう。だが、心配もある。即ち、“牙”を抜かれた特捜部が今後、どのように“汚職の大トラたち”と対峙するか、恐らくこれも現実的な問題である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月27日