◇今後数十年で前線配備を敷く可能性
南中国海と東南アジア各国の位置する地域と太平洋は世界の海上ルートののど元にあたる。マラッカなど多くの海峡を含めヨーロッパとアジアの海上ルートの中心だ。世界の半数以上の海上貨物がこの海峡を通過する。インド洋からマラッカ海峡と南中国海を通過して東アジアに輸送される石油はスエズ運河の石油輸送量の5倍以上にのぼる。韓国の3分の2近く、日本の60%、中国の80%の石油供給が南中国海を通過する。地理的位置、エネルギー備蓄、領土問題をめぐり南中国海は決定的な地政学的影響力がある。
冷戦時代に敷かれた前線配備と同じように、南中国海水域にも今後数十年で前線配備を敷く可能性がある。中国海軍の軍事力増強と南中国海に対する主権主張にともない、周辺国家は海上の力を強化するほか、中国の軍事力を抑えるためさらに米国に頼るだろう。米国は軍事力を中東地域に割かねばならないが、それでも米海軍の実力は中国を上回る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月18日