アジア太平洋地域では、米国がフィリピンやベトナムなど中国の隣国と協力し、南中国海の領有権問題で中国との平和促進を図っている。米国が防衛協力する台湾も中国の重要な利益のひとつだ。米国防大学のカール教授は、「中国はこれらの衝突において、直接米海軍と手合わせするのではなく、米国を迂回できる戦略的チャンスを伺っている可能性が高い」と指摘する。
マサチューセッツ工科大学安全保障研究プロジェクトのカート副主任は、「中国と隣国との関係に米国が干渉するのを阻止するのはかなり難しい」とし、「根本的に中国は隣国を威嚇するのに我々の影響を食い止めたいと考えている」と紹介する。
中国が軍事力を拡大するのは米国に対抗するためだという誤解があるが、中国は太平洋と東アフリカなどの地域における利益に関心をもっている可能性のほうが高い。中国軍が十分に強大ではなく、米海軍と戦う力はないにしても、中国はこのまま軍拡を進めるだろう。「我々からすれば大胆不敵な行為だが、いずれにしろ彼らは他の利益を守る必要があるためこのまま前進するつもりだろう」とカート氏は予想する。
米海軍のノーマン・ポルマー顧問は、中国が空母倶楽部に加入し、米国、ロシア、英国、フランスなどの主要大国の仲間入りを果たしたことによる最も大きな影響は、アジアの隣国に与える心理的な影響だろうと指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月19日