米国防総省は24日、議会に提出する「中国の軍事・安全保障に関する年次報告書」を公表した。84ページに上る報告書は、2008年以来の両岸関係の重要な進展に各所で言及し、今年は台湾海峡周辺の情勢が全体的に安定し、いかなる武装衝突も起きていないことを認める一方で、いわゆる中国大陸の軍事的脅威を誇張するという自己矛盾を呈している。
今年の報告書で米国防総省は国際平和維持活動、海賊取り締まり、人道救援活動における中国の貢献を認める一方で、中国の正当な国防建設をむやみに非難し、いわゆる中国の軍事的脅威を公然と誇張している。
中国の軍事力に対する米側のこうした「称賛と批判を兼ね備えるが批判が中心」の評価は、米国の軍事戦略の調整と関係がある。米側は中国を「誉め称える」ことで、国際問題にもっと参与するよう「誘導」することを望んでいる。これは戦略の東遷を加速する余力を確保できるよう、世界の警察としての莫大な負担を軽減するためだ。
より重要なのは、米国が中国の軍事力の「過度の膨張」を宣伝することで一石二鳥の成果を得ようとしていることだ。1つは今後数年間、軍事費の規模をできるだけ維持すること。8月初めに上下両院で成立した債務上限法案は、今後10年で軍事費を最低3500億ドル削減するとしている。米国債が格下げされ、経済も低迷を続ける中、米軍は軍事費の規模を維持するための理由を差し迫って必要としており、中国の軍事力の発展がその格好の口実となっているのだ。もう1つは米国に協力して中国の台頭に備えるよう周辺国に強いること。米国は「中国脅威論」の宣伝によって中国への周辺国の恐怖心を煽ることで、政治的な対中国同盟を構築することを望んでいる。根本的に言って、米国は一貫して「アジア太平洋回帰」を図っており、「中国脅威論」の宣伝はこの戦略的目的の達成に役立つのだ。
「人民網日本語版」2011年8月28日