◇一部の人を犠牲にすることで日本全体の安全を確保する
在日米軍基地の周辺で米兵による交通事故、窃盗、婦女暴行などの事件が数多く発生しているにもかかわらず、日本政府はこれに対して公には何の表明もしていない。その一方で、日本国民の自衛隊に対するイメージは良好で、戦前の横暴で酷薄な印象を抱かせる「軍人」のイメージとは大きく隔たっている。自衛隊員は公務の時以外は制服を着用せず、自衛隊用ナンバープレートを付けた車を乗り回すこともない。表面上は、自衛隊および自衛隊員に特権はなく、一般の人と変わらないいその様子に、そのイメージが大きく改善されている。
中国人から見れば、米軍にいつまでも駐留されていることに日本人はなぜ憤り反発しないのか?と思う。だが日本人の意識はこれと逆のようである:日本人を対象にしたあるアンケート調査によると、「国内で特権的立場を維持する米兵よりも、海の向こうにいる、よく知らない、会ったことすらない中国人の方が怖い」と回答する人は80%におよんだ。また「今後も米軍が日本に駐留し続けることを希望する」と答えた人は60%以上にもおよんだ。
これは米軍・米兵のマイナスのイメージを抱かせる報道が日本でほとんどされていないことが原因である。米兵の車に日本国民がはね殺されようと、幼女がレイプされようと、国内のマスコミが大きく騒ぎ立てることはないため、国民のほとんどが真相を知らないままなのである。だが、この度の大地震発生直後の米軍の救援活動に対し、日本のマスコミはここぞとばかりに米軍を賞賛する。そのため、米軍基地の駐留や米兵の治外法権に対し、日本国民のほとんどが特に疑問や憤りを覚えずにやり過ごしてしまっているのである。
「一部の人を犠牲にすることで日本全体の安全を確保する」これが日本人の多くの考えのようである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月1日