上海環太国際戦略研究センターの郭隆隆主任によると、「アジアの盟友を頼りに中国を牽制する」という米国の考えは現実的ではない。米国の盟友は一枚岩ではない上、米国との協力も慎重になっている。日韓では米軍の駐屯に対する抗議デモがあり、フィリピンでも米軍との合同軍事演習に反対する声があるという。郭主任は、アジア太平洋への返り咲きは米国にとって「もろ刃の剣」だと指摘。アジア太平洋は問題が集中する地域で、米国がうまく処理すれば利益を守れるが、うまく処理できなければ自ら災いを招き、自らの利益にまで影響する可能性が高い。
米国のアジア太平洋戦略に対して、中国は冷静に対応するよう多くの専門家が呼びかける。国際問題に詳しい金灿栄氏は、「米国の攻めに対し、中国は泰山のようにどっしりと構えなければならない。米国の攻めは、戦略上弱い立場にあるということだ。米国は現在下り坂にあり、中国は上り坂にある。こうした状況にあって米国は地位を守ろうとする心理が働く。大切なのは中国が確たる自信を持つことだ。時間は中国のほうにある。ミスさえ犯さなければ、未来はわれわれのものだ」と語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月28日