中国はWTO加盟10年来、加盟時の承諾事項を全面的に履行し、貿易と投資の自由化・円滑化レベルを著しく高めた。平等互恵、協力・ウィンウィンの対外開放政策を実行し続け、世界経済の成長を力強く促した。しかるべき国際的責任を積極的に担い、各国の共同発展を促すべく努力した。これらなしに中国と世界各国の互恵・ウィンウィンという良好な局面はなく、「中国の発展は世界から切り離せず、世界の繁栄と安定も中国から切り離せない」との考えがこれほど人々の心に深く浸透することもなく、上記に繰り返し言及した国際社会の基本的共通認識もなかっただろう。
現在の世界は開かれた世界だ。開かれた世界とは全面的な接触、緊密な結びつき、深いレベルの協力を意味する。全方位的な相互作用の過程においては、明確で合理的な「ゲームのルール」が極めて重要だ。発展途上の大国である中国は、協力プロセスに参加したその日から、こうしたルールを単に受け入れ、遵守してきただけではない。自国の合理的権益を守り、世界経済ガバナンスのより公平で合理的な方向への発展を促すため、責任を担い、現行ルールの調整と新ルールの制定に積極的に参与してきた。後者の役割が特に敏感なものであり、一部の者の既得権益および「主導者」としての心理を刺激しやすいのは間違いない。協力過程がたゆまず深まり、協力の成果が次々と現れるに伴い、様々な憂慮や不安もいずれ解消されるはずだ。
中国の今後の発展には国際社会の理解と支持が必要だ。こうした理解と支持は、結局は中国が平和発展路線を堅守し、時代の基調を把握し、順応することによってもたらされる。WTO加盟10年来の実践は、中国の発展の大勢と世界の発展の大勢の符合点を見出し、流れに沿って行動し、世界の発展の大勢の助けを借りて自らを発展させると同時に、自らの発展によって世界の発展を促す能力がわれわれにあることを物語っている。今日の中国はチャンスをつかむ能力だけでなく、チャンスを創出する実力も備えている。
中国の発展は平和的発展、開放的発展、協力的発展、共栄的発展だ。WTO加盟10年来の中国の実践は世界各国にとって、中国の発展の性質を正しく認識し、深く理解するための重厚な参考書となった。われわれにとっては経済グローバル化の下での発展という共通認識を豊かにし、対外開放という基本国策を遂行する決意を揺るぎないものにした。複雑で変化に富む新たな情勢は、より広い視野で世界と中国を観察することをわれわれに要求している。
「人民網日本語版」2011年12月12日