マレーシア海事研究所主催の南中国海会議が同国の首都クアラルンプールで12、13両日に開催された。「南中国海問題の平和的解決の最新の進展と影響」をテーマに東南アジア諸国連合(ASEAN)、米国、オーストラリアなどの政府関係者、専門家ら計200人近くが出席した。シンガポール、フィリピン、マレーシアなどASEAN諸国は今年、南中国海問題に関する討論会を立て続けに開催しており、多くの同じ学者を招いて年末に開催されるこの会議は、総括的意味合いを持つと言える。
■討論の雰囲気が和らぐ
人民日報の記者は会場で、各領有権主張国の専門家の発言がこれまでの会議ほど激しくはないのを感じた。客観的で冷静な発言や分析が多くを占め、平和的解決への意欲が感じられた。
今年7月に中国はASEANと「南中国海における各国の行動宣言」実行の後続行動指針で合意した。続いてベトナムとも海上問題の解決に向けて6つの合意をした。11月に中国外交部は、ASEAN諸国と共に「南中国海における各国の行動宣言」の実行プロセスを積極的に推進し、実務協力を展開すると同時に、「南中国海における行動規範」(COC)の制定の検討に入る方針を表明した。
出席した専門家らは南中国海問題における一連の前向きな変化を高く評価。米国アジア研究所(NBR)のマーク・バレンシア氏は「今年に入り、南中国海問題で前向きな進展があった。紛争関係国がみなテーブルについて話し合う姿勢を見せている。これは進歩だ」と指摘した。
専門家らは、緊張緩和は間もなく始まるCOC交渉に有利だが、各国は交渉の難しさを十分に理解しているはずだと指摘。シンガポール国立大学国際法センターのロバート・ベックマン氏は最大の困難として(1)COCの適用範囲。境界確定前に、適用範囲を確定するのは困難(2)具体的な実行または紛争解決制度の有無??を挙げた。だが、交渉は容易な点から着手すれば良いと指摘する声の方が多い。