バレンシア氏は「南中国海情勢はまだ十分に明らかではないが、ASEANと中国は正しい道の模索を続けている。この点は堅持すべきだ」と述べた。オーストラリア国家海洋資源・保安センターのサム・バートマン氏は取り組むべき点として(1)協力を強化し、南中国海とその資源を共同管理(2)信頼と安全性の強化の2つを挙げた。
清華大学法学部の張新軍準教授は「COC交渉の開始においては、まず『南中国海における各国の行動宣言』の過去10年間の経験と教訓を総括し、しかるべき補完と強化を行う必要がある。次に境界画定前の交渉過程では、行動規範を遵守し、情勢を悪化させたり、交渉過程を妨げないことと同時に、行動規範と共同開発を含む暫定的取り決めとの具体的関係も考慮しなければならない。両者共におそろかにしてはならない。さもなくばたとえ行動規範が制定されても、足取りはおぼつかないままだろう」と述べた。
■米国の「アジア回帰」が南中国海問題を一層複雑化
出席した専門家らは「南中国紛争はすぐには解決できず、数世代の努力が必要だ。現在各国は共同開発に尽力し、共同開発を通じて対立を和らげるべきだ」との認識で一致した。
マレーシアの海事アナリストは「南中国海問題の解決には辛抱強い取り組みが必要だ。双方はあまり敏感な問題から取りかかるのではなく、手の届く果実から先につむべきだ。行動規範の制定においては特に雄大すぎる理想を掲げてはならない。互いに理解を深め、信頼を構築して初めて、平和的解決の意向が強まる」と述べた。