第2回核安全保障サミットが26、27両日に韓国の首都ソウルで開催される。2010年のワシントン核安全保障サミットに続く今回の会議には、53カ国の首脳や代表、国連など国際機関の担当者が集い、核安全保障問題について再び議論する。これは核安全保障分野の試練の緊迫性と国際社会の強い重視を物語っている。また、胡錦濤主席が再度出席することは、核安全保障問題への中国の責任ある姿勢をはっきりと示している。(文:曲星・中国国際問題研究所所長)
■国際核安全保障の非常に厳しい現状
核安全保障は2つの要素からなる。1つは原子力事故の防止を重点とする原子力安全性(nuclear safety)、もう1つは核テロの防止を重点とする、核施設と核物質の悪意ある侵入を防ぐ核安全保障(nuclear security)だ。近年、双方共に問題の生じる可能性が高まっている。
第1に、原子力産業の急成長によって原発事故の可能性が高まっている。世界的なエネルギー不足を受けて、各国共に原子力をエネルギー問題解決の戦略的選択肢としている。世界ではすでに430基余りの原子炉が稼働しており、さらに65基が建設中だ。第2に、原子力産業チェーンの弱い部分が増えている。第3に、国際的なテロ対策の状況が厳しさを増している。
■人類にとって原発は必然的選択
このように多くの問題がある以上、人類社会は原子力という選択を取り消すことができるだろうか。答えはノーだ。化石燃料の再生不可能性と高まり続ける人類社会の需要は一組の構造的な矛盾をなしている。
一歩譲って、たとえエネルギー不足の問題がなかったとしても、化石燃料の燃焼による排出は人類社会に耐える術のない結果をもたらす。