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韓国国民の反対の声は、実は、日本の武装化への危惧の方が強い。近年、日本では防衛庁が防衛省に昇格し、自衛隊を平和維持活動へ参加させ、護衛艦を出すなどの行為を行なっている。平和憲法の原則は徐々に守られなくなっており、非武装国家の道から離れていっている。2協定が締結されれば、その境界線はさらに広げられることになる。日本国民も、韓国などの日本の近隣諸国の国民もみな、このことに対する警戒心を抱いているのだ。
日本はこの度の軍事協定に最初から積極的な態度を示している。2国間の軍事協定が締結されれば「日米韓3カ国同盟」が起動する、という人もいるほどだ。だが、「3カ国同盟」と言うのは少し誇張しすぎの感がある。
林治遠研究員は「この度、日本と韓国が軍事的な関係を深めようとしているのは、米国の国防戦略がアジア太平洋地域に向けられていることと関連している」と指摘している。だが、現実問題として、米国国内でも国防戦略に対する規制が存在している。近年、北大西洋条約機構(NATO)において米国が負担する軍事費の割合は一層高くなっているし、軍事同盟を結んでいるアジアの国の多くが米国の軍事援助を求めている。「アジア版NATO」の道のりは険しい。
張璉瑰教授は「米国からすれば、日米同盟および米韓同盟だけで軍事的には充分なのである。日米韓3カ国同盟を結成するとなれば、近隣諸国の猛反発は避けられず、政治的に大きな困難を伴う」と指摘している。また、韓国国民の日本への不信感、日本の武装化に対する日本国民の警戒心はいずれも、日米韓3カ国同盟を支持する者にとって、高いハードルとなって立ちはだかっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月1日