今年、中国では多くの出来事があり、懸念すべき問題も多々あったが、この年末に振り返ってみると、さまざまな不確定事項は全て、大きな確定事項にまとめ上げることができる。中国は逞しくなり、その柔軟性と強さを増した。
2012年中国最大の出来事といえば、新政権の発足に他ならない。中国社会において、今年ほど様々な思想が飛び交う年はなかった。これは新政権発足に伴うピリピリ感や不安感によるものである。今は、世界中の全ての国が大きな試練に直面しており、中国世論においても、問題に耐え忍ぶのではなく、それを大きな声で鋭く指摘する時代に突入している。「変革」は国際社会共通の合言葉であり、新政権発足の年ともなれば、その声はますます勢いを増す。
一年間の紆余曲折も、年末にまとめて振り返れば、満足のいくアーチ状の線となっている。中国のほとんどの問題が軟着陸を実現、社会情緒もポジティブなものが拡大しており、一部、複雑さや過激さを見せるものも中国共産党の第18回全国代表大会(十八大)後の国家改革へのプラスのエネルギーとなっている。この大きな変化は、中国社会が今後、自身を見つめていく上での大きな助力となるだろう。
また、2012年の新政権発足は、中国最高権力の安定的引継ぎの制度化レベルを向上させ、さらにプラスイメージを前面に押し出した形となった。中国は改革を継続するのか?この問題も、今回の新政権発足により打ち消された。反腐敗、社会公平性の強化、経済発展方式の変換等、いくつかの重大な問題に対し、新政権は新たな解決の原動力をもたらしたのである。
国際社会においても、大国のトップが交代することで、外交政策を急変させるのではないかという不確定な恐慌が生じる事が多々あるが、今回の中国における新政権発足では、そのようなことは全く無かった。今年行われた世界中の政権交代や新政権発足の中で、中国のそれは最も安定的なものだったと評価されている。