▽日本は北東アジアでの地位を向上させたい考え
エネルギー分野のほか、安倍首相は今回の訪問で両国の安全保障分野の協力を強化する方針も表明した。
中国国際問題研究所の楊希雨氏によると、6カ国協議の参加国のほかに、モンゴルは北東アジアの安全保障に欠かせない第7国であり、日本はこの第7国と安全保障分野における協力関係を築きたいと考えている。これにより、日本の北東アジアの安全保障分野における地位と影響が高まることは間違いない。
また、日本はロシア・モンゴル、中国・モンゴルの間に「入り込み」、ロシアと中国が同地域において安全保障分野の協力を行い、枠組みを構築することをけん制したい考えだ。
そのほか、安倍首相とアルタンホヤグ首相は会談中、米国を加えた3カ国間の事務レベルの政策協議を行い、政治や安全保障など幅広い分野の問題について意見交換することで合意した。楊希雨氏は、米国はモンゴルで戦略的行動をとっており、日本のモンゴルでの安全保障分野の行動強化には同盟国としての考えもあると見ている。
▽中国けん制にモンゴルを引き込むのはほぼ不可能