国際・地域安全情勢の変化、および米国の戦略調整に応じ、日本は近年新たな軍拡を進めている。日本の軍事力発展は、「国防正常化」と軍事大国に向かい邁進している。
一、日本の国防正常化と軍事大国化は、純粋な内政問題であるか。
内政は同問題の表面に過ぎない。同問題は日本の外交・安保戦略、そして東アジアの安全情勢、世界の構造に影響を与える。これは日本の近年の国家発展戦略の縮図であり、日本が世界でいわゆる「正常な国家」の地位と対等な外交の役割を獲得するため講じた危険な策である。これは日本の平和憲法の原則を突破する、戦略的な意図を示している。
内政の面から見ると、日本の「国防正常化」の推進は、侵略の歴史に対して戦後の日本が徹底的に反省していないことによるものだ。さらには現在の日本の保守的な思潮、偏狭なナショナリズム、間違った歴史観の再氾濫という現実がある。対外戦略の面から見ると、日本のいわゆる「自主防衛」と日米同盟を基礎とする軍備には、明らかな冷戦的な思考回路、武力による恫喝、具体的なけん制の対象がある。間違った考え方と戦略を出発点としているため、日本の軍事力の発展は地域の戦略的バランスを破壊するだけではなく、地域の平和・安定にマイナス影響をもたらす。
二、日本はなぜ発表したばかりの防衛計画の大綱を慌てて改正したのか。
2010年に防衛計画の大綱が発表されてから、国際情勢に大きな変化が生じた。特に米国がアジア太平洋回帰戦略を確定すると、東アジア情勢の緊張が激化した。これに日本国内政治の右傾化の加速、日本が一方的に引き起こした釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題により、軍事大国化の危険な道に向かっている。右寄りの自民党が2012年末に与党になると、安倍内閣と安倍首相本人は「戦後体制」の打破により、日本を「正常な国家」にすることを政治目標とし、国防正常化を同目標実現の重要手段とした。
この面から論じると、民主党時代にまとめられた2010年版の防衛計画の大綱は、自民党の主流派の意見と根本的な不一致はないが、安倍首相は軍拡の規模、安保政策の積極性の面に満足していない。安倍内閣は防衛政策に「安倍の烙印」を残そうとしており、防衛計画の大綱の改正を重要かつ早期実現すべき内容とした。