三、武器輸出三原則の改正後、終点はどこに設定されるか。
日本の国防正常化・軍事大国化の加速の流れを見ると、日本は「武器輸出三原則」の突破を近年試みており、武器輸出を解禁し続けている。野田政権が2011年末に国際武器共同開発を理由に、武器輸出三原則を実質的に緩和させると、同原則の抑制力には衰退の兆しが見え始めた。
防衛装備の品質を高めるため、世界最先端の兵器の開発・利用に積極的に参与したい日本にとって、かつての「専守防衛」の国防政策の基盤の一つである武器輸出三原則は、紛れもなく一つの障害物だ。そこで新たな「法的解釈」、「例外的な状況」により、この障害を回避する必要が生じた。日本が積極的な軍拡を維持し、米国がこれを容認・支持する中、武器輸出三原則は形骸化に向かい、名前だけのものになることは予想できる。
四、日米防衛協力のための指針をなぜ改正するのか。
日米同盟は日本の外交関係・国防戦略の支柱であり、日米防衛協力のための指針は基本政策の高いレベルから双方の軍事協力の調和を図るものだ。日本側から見て、日米防衛協力のための指針の改正には、対内・対外の両面の原因がある。
米国の全体的な実力が近年低下しており、米国が世界の覇権を維持するため同盟国の協力が必要という需要が明らかに示されている。そこで米国はアジア太平洋回帰を特徴とする世界戦略の調整を推進し、日本を米国の同地域における「戦略協力」に加わらせ、中国の共同けん制の最も有力なパートナーとしている。
一方で政治・軍事大国を目指す日本の意図も強く示されている。日本は米国の同地域における実力・戦力という威光を借り、自身の大国を目指す戦略的目標、中国けん制の狙いを実現させようとしている。上述した2点に基づき、米国のアジア太平洋回帰戦略を契機とし、米日は両国の防衛協力の新たな需要を見つけ出した。両国の防衛協力のための指針の改正は、双方にとってまさに願ってもないことであり、共通の利益と目論見がある。