五、米国の「空海一体戦」に積極的に協力する目的とは何か。
米国の「空海一体戦」は、米軍の現代化戦争における立体的な攻防、全面的な攻撃による、圧倒的な優勢を維持することを目的としている。米国のアジア太平洋における「空海一体戦」の構想の主な戦略的目標は、中国に対する抑制と防御である。これは日本の近年の軍事防衛目標と期せずして一致している。ゆえに米国の「空海一体戦」への協力は、日本の軍事戦略とぶつかる点がない。日本は同戦略に協力し、米軍と積極的な防衛の協力を進めることで、世界最先端の軍事力水準に追いつき、日本の空と海の防衛力を強化し、航空自衛隊と海上自衛隊の装備と実戦能力を強化できる。これは日本による「未来の戦場のシミュレーション」(南西諸島防御線における人民解放軍との空・海の対抗)にとって、紛れもなく有利なことである。
六、日本の(釣魚島に関する)軍事動向は、何を示すものか。
大きく見て、日本の釣魚島(日本名・尖閣諸島)に関する軍事動向は、日本の現在および未来の軍事・安保の主要目標が中国抑制であることを示している。中国抑制により日本の軍事力を維持・発展させ、軍事大国化の目標を実現するため堂々たる理由を作り出そうとしている。
具体的に見ていくと、日本は計画的に中国を対象とする「段階的な防衛線」を構築している。準軍事力である海上保安庁の艦艇は第一段階にしか対応できず、自衛隊は第二段階の「低・中度の衝突」に対応し、在日米軍は「最終防衛線」で軍事対抗への介入に備える。軍事力を後ろ盾とし、中国に釣魚島問題の譲歩を迫ることは、日本の主要戦略の一つだ。「強制的な力以外に方法はない」という思い込みは、安倍内閣の中国に対する基本的な考え方だ。