239人の乗客を乗せたマレーシア航空の交信が途絶えた旅客機は、昨日も手がかりが得られなかった。全世界のメディア、一般人、乗客の家族が焦り、ショックを受けている。「関連海域の海面に漂っていた油は船の燃料だった」、「ベトナム機が発見した残骸は、同機と関係がなかった」この時間が命を左右する大捜索の中、情報が一つまた一つと伝わったが、立て続けに否定・説明され、希望が泡のように消えていった。マレーシアの高官は昨日、「MH370便はかつてない謎だ」と称した。各国の専門家がメディアで発表した分析には、テロリストの襲撃、ハイジャック、パイロットの自殺、空中分解などの憶測が満ち、信ぴょう性が低い。マレーシア政府は、偽造パスポートを使い搭乗した乗客の中に一人の黒人がいたことをほのめかし、昨日唯一もたらされた確実な情報となった。これは同機の捜索の最新の手がかりに見える。中米の指導者の対話から各国による救助活動に至るまで、災難を前にした人々は対立を棚上げにし協力を選んだ。誰も諦めることなく、最良の結果を求めている。「環球時報」が伝えた。
この稀に見るほど大規模な海と空からの国際捜索活動は、10日に3日目に突入した。CNNは10日、「8つの国と地域の34機の航空機、40隻の船舶がすべての海面を余すところなく捜索している」と伝えた。ロイター通信は、「米海軍のP-3哨戒機が月曜日、マラッカ海峡北部およびマレー半島のもう片側(MH370便が最後に信号を出した地点)で捜索を進めた。P-3は1時間当たり、1500平方マイルを捜索できる」と報じた。米軍第7艦隊のジェームズ司令官はEメールの声明文の中で、「我々の航空機は水中の細かい残骸を発見できるが、今まで見つかっているのはゴミや木の欠片だ」と表明した。マレーシア側は10日夜、捜索範囲を半径100カイリまで拡大すると発表した。
ロイター通信は10日、マレーシアの調査活動に加わっている消息筋の話として、「迅速に残骸を発見できないことは、航空機が飛行途中に3万5000フィートの高空で分解し、残骸が広い範囲に渡り落下したことを暗示している」と伝えた。しかし同記事は他に米国政府の消息筋の話を引用し、「米国は自国のスパイ衛星からの情報を調べたが、高空で爆発したという証拠は得られなかった。米国の衛星は、同地区のすべてをカバーできる」と指摘した。
CNNは10日、「同機の手がかりはなぜこれほど少ないのだろうか。パイロットが救助信号を出せなかったのは不思議なことではない。パイロットにとって最も重要なことは、飛行の制御だ。緊急時の対応にパイロットのすべての力が向けられる可能性があり、地上に助けを求めても当時の状況ならばそれほど役には立たなかった。またマレーシア北部の海辺とベトナム南東部の沿海は250マイル離れており、フィラデルフィアからピッツバーグまでの距離がある。同機は当時3万5000フィートの高空を飛行しており、二つのエンジンに故障が生じたとしても、この高度からならば120マイル滑空できる。捜索が必要な範囲は、ペンシルバニア州全体の面積に相当する。調査には少なくとも数ヶ月が必要だ」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月11日