(二)新型民主集中制。中国の成功は、国家の政策決定の過程の大幅な改善によるものだ。この制度は、「新型民主集中制」と呼ぶことができる。中央政府は重大な政策決定をする際に、多くのシンクタンク、政府機関、大学、学者、専門家から意見を募り、さらには微博(ウェイボー、中国版ツイッター)などのSNSの白熱した議論の中から役立つ提案を汲み取っている。最近可決された、中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)の改革の深化に関する決定が良い例だ。習近平総書記が自らチーム長になった三中全会文書起草チームは半年の間に、全国の100以上の機関から2500件以上の提案を集め、最終的に約半数の意見を採用した。政策決定の過程において、7人の常務委員は中国各地で調査研究を進め、関係者の意見に耳を傾け、さらに慎重な議論を経て、最終的に決定を下している。ゆえにこの決定は、中国社会に存在する幅広い共通認識を反映している。この共通認識には、医療改革、計画生育政策(一人っ子政策)、定年退職年齢の引き上げ、銀行システム改革、教育改革、労働教育制度の廃止などが含まれる。また多くの政策はすでに狭い範囲内で試験を進めており、高い効果を得ている。
紛れもなく、このような政策決定の過程は合法性が高い。そのため中国では米国のように、まず小さなグループ内で決定を下し、それから広報業者を使い人々に政府の決定をセールスすることは少ない。中国中央政府が上述した過程に基づき決定を下せば、その後は「学習」、「徹底」、もしくはさらなる試行という流れになる。