中国の対外政策は一貫しており、三点に集約できる。第一に覇権主義への反対、第二に世界平和の維持、第三に第三世界との団結と協力の強化、もしくは連携と協力の強化である。なぜ今、第三世界を強調するのか。覇権主義に反対し、世界平和を維持することは、第三世界にとって特殊な意義を持っているためだ。覇権主義の被害者は誰か。米国やソ連だろうか。米国やソ連は覇権主義を進める側であり、被害者ではない。欧州や日本、オセアニア、カナダの先進国も被害者ではない。東欧には少し被害者の側面がある。もしも世界平和が破壊されれば、まず被害を受けるのは誰か。第2次世界大戦が終わっても実際には平和は訪れていない。大きな戦争はないが、小さな戦争は絶え間なく続いている。小さな戦争はどこで行われているか。第三世界でである。その根本的な原因は、超大国の覇権主義がそこで挑発を行い、介入を進めていることにある。長期にわたって、超大国は、第三世界の衝突を利用して自らの目的を遂げてきた。第三世界の国自体にもあれこれの問題はあったとしても、直接被害を受けるのはいつも第三世界の国家と国民である。世界平和を維持し覇権主義に反対する本当の主力は、密接な利益問題を抱える第三世界だ。これは人々の意志によって動かせるものではなく、第三世界の地位と利害関係とによって決定される。