(9)主権問題に関しては、中国はいかなる妥協の余地もない。率直に言って、主権問題は議論できる問題ではない。
香港問題は、歴史上の植民主義による中国侵略によって遺された問題だった。1842年8月29日、清政府は、英国の砲艦「コーンウォリス」の船上で、中国史上最初の不平等条約「中英南京条約」を締結し、香港島を永久に英国に割譲することに同意した。1860年には再び「中英北京条約」を締結し、九竜半島の尖端部分を英国に永久に割譲することとした。1898年にはさらに「展拓香港界址専条」の締結を迫られ、英国は、深セン河以南と界限街以北の面積975.1平方キロメートルの新界地区を租借することになり、租借期間は99年もあった。清政府以降の歴代中国政府はこの三つの不平等条約の承認を拒絶していた。
1982年、中英両国が香港問題について協議をした際、英国側は、史上の三つの条約がまだ有効であると主張し、主権問題について中国と取り引きをしようとした。これに対し、鄧小平氏ははっきりと、「主権問題に関しては、中国はいかなる妥協の余地もない。率直に言って、主権問題は議論できる問題ではない」と語り、主権問題について英国側に明確な回答を出した。