六 定力を維持し、穏中求進の基調を維持
「定力」もまた、習主席が好んで使用する一つの概念だ。この言葉は、習主席の国政運営の風格をよく反映する。習主席は本書の中で、定力は主に政治の定力と戦略の定力に分かれるとした。
政治の定力は、揺るぎない理想と信念だ。習主席は、「理想と信念は共産党員の精神的なカルシウムだ。理想と信念がなければ、もしくは理想と信念に揺らぎがあれば、精神はカルシウム不足に陥り、骨軟化症にかかる」とわかりやすく例えた。
習主席がより多く取り上げているのは、戦略の定力だ。習主席の戦略の定力は、経済などの面で示されている。十八大の閉幕後、世界経済の深いレベルの調整から影響を受け、国内経済の減速の圧力が拡大した。新指導部は安定成長と雇用維持という下限と、物価上昇抑制という上限を設定した。経済を合理的な区間内で運行させ、モデルチェンジと構造調整に専念し、マクロ政策の基本方針を維持した。短期的な刺激策ではなく、効果的な供給を拡大し、潜在的な需要を引き出し、市場の短期的な変動に冷静に対応する。
習主席は改革の問題についても、定力が必要と強調している。安定は改革を条件とし、改革も安定を条件とする。「静」は定力を、「動」は秩序を必要とする。重要なのは、両者のバランスを取ることだ。
定力は業務上、成果を焦らず、政策の頻繁な変更がないことを意味する。習主席が示したこの定力は、全国民に地に足の着いたような安心感を与えている。「穏中求進」(安定を保ちつつ進展を促す)は新指導部の業務推進の基調となっている。国際社会は中国政府・社会の毅然たる意志と安定を実感している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月23日